何度も繰り返しますが、勉強の本室は「効率」と「継続」です。「効率」的な勉強は、正しい道順(勉強計画)を定めて、それに向けて自分の理解度を最大化することである、と別の記事で述べました。しかし、そうした計画をたてても人間はなかなか続けられない生き物です。「継続」が勉強のネックになっている人も多いでしょう。
その「継続」。実は自然にできる人は、全体の1%程度ではないでしょうか。努力も才能のうちである、という言葉すらあるように、努力し続けることが難しいことはみんなわかっているのです。明日からダイエットしよう、と思っていつまでもダイエットできなかったり、ついつい禁煙をやぶってしまう人がいるのを見ても、「継続」が必要なのは勉強だけではないことも分かります。
実は、継続に必要な要素は決まっている!?
継続とひとくちにいっても、分解すると、さまざまな要素で成り立っていることが分かります。私が分析したところ、「監視」「競争」「危機感」「承認」の4つが継続を実現する主な要素となります。
要素の中の一つ、「監視」の重要性
試験会場には必ず試験官がいて、みんながカンニングしないかを「監視」しています。また、プールにも係員がいて、溺れている人がいないかを「監視」しています。このように、日常のさまざまなところで「監視」による不利益な事態の防止はなされているわけです。勉強に関していうと、監視をしてくれるのは身近な存在になります。先生、受験仲間、友達、親、家族といったところが主なものになります。
例えば、常に家庭教師の先生と1対1で指導が受けられる環境であれば、常に「監視」されているわけですから、勉強が「継続」できる可能性は飛躍的にあがるわけです。そうでなくとも、受験仲間や友達から「勉強どうなの?」とか聞かれるような環境にいれば、いわゆるピアプレッシャーにより、勉強が継続できる可能性はぐんと上がります。親や家族についても、「ちゃんと勉強やっているの」「受かりそうなの」などと聞かれることで、嫌な気分はしながらもプレッシャーがかかって勉強を「継続」しやすいでしょう。
「監視」される環境に身を置く事が大事
ここでやってしまいがちなのは、そうしたプレッシャーがいやで「監視」から逃れる、ということです。みんなプレッシャーはいやなので、監視をされない環境を作るため、友達にも、家族にも、親にも、司法試験の勉強をしていることを隠している、ということがよくあります。こうすれば、監視されないので、落ちたときにもいやなことを言われない、という一種の防衛本能なのですが、これはおすすめしません。こういう「逃げられる」状況を作ることで、自分にプレッシャーがかからなくなり、勉強の継続がままならなくなります。
むしろ重要なのは、自ら「監視」される環境を作る、ことです。例えば、「俺は司法試験受けることにしたんだ」とことあるごとに友人や家族に言いふらすのです。そうすると、いずれ周囲から「司法試験を受けるって言っていたけど勉強は進んでいるの」というプレッシャーを受けることになります。
こうした「監視」される環境を自ら作ることが、「逃げる」道を作るよりも遥かに重要なのです。「監視」される環境は、外圧によって自分が継続する環境なので、息苦しさを感じるかもしれませんが、勉強の本質からすれば、とても有益なことなのです。同じような外圧による継続として「競争」がありますが、それについては次の記事で述べたいと思います。