山本敬三「民法講義1 総則」の特徴と評価

民法講義1総則

「民法講義1 総則」の特徴

本書は、京都大学の山本敬三先生が執筆された民法の基本書です。一般社団・財団法人の施行にともない改訂され、現行法に対応しています。圧倒的な情報量を誇り、辞書としても有用です。参考文献・脚注もとても充実しており、調べ物やゼミ・リサーチペーパーには必須の一冊となっています。

欠点としては、判例への言及がやや不足していることでしょうか。判例集などで別途補う必要があるかもしれません。

本書の特徴としては、とにかく「厚い」。民法総則のみの範囲で600頁を超えます。総則のみの基本書としてこの分量は最多クラスといえます。しかし、項目分けなどがかなり多くなされており、読んだ際の実際の文量は、実は通常の基本書と同じ程度のように感じるかもしれません。

特に評価が高いのが94条2項の類推適用と代理の部分です。94条2項の類推適用の整理は従来の学説の整理を一歩進めたものであり、また、有権代理・表見代理・代理権濫用の区別の分かりやすさは群を抜いています。

本書との相性は、項目分けの多さで決まると思われます。項目立ては綿密になされており、「使いやすい」との声もありますが、レジュメ調の構成が苦手な方は、佐久間毅「民法の基礎1 総則」の方が向いているかもしれません。

「民法講義1 総則」の評価は?

短答式対策において

短答式試験対策として、本書は情報量が多すぎるといえます。とりわけ、条文知識が多く問われる民法の択一式試験において、学説が網羅されている本書は不要でしょう、もっとも、この肢がわからない!といった場合に調べるのには有効かもしれません。

法科大学院入試対策において

法科大学院入試対策としては、情報量が多すぎるため不要と思われます。もっとも、京都大学の法科大学院入試を受ける際には、山本敬三教授の問題意識が反映されていることもあり、読んでみる価値はあるかと思われます。

司法試験・予備試験対策において

こちらも情報量としては多いですが、短い試験時間で論文を書かなければならない予備試験対策としては、本書の項目立てをうまく活用することによりコンパクトな理由付けが可能となることもあります。本書の使い方次第では予備試験対策にも有用といえるでしょう。

司法試験対策としては、このくらいの知識があると民法の対策としては万全なものといえるでしょう。とくに2010年代前半は山本敬三教授が試験委員を務めていたことまり、山本敬三教授の問題意識を踏まえると過去問の趣旨がわかったりもします。何か問題で困ったらこの本に立ち返るという使い方が良いといえるでしょう。

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