平成27年度早稲田大学法科大学院入試、刑法のポイント解説

早稲田_27年_刑法のサムネ画像です

形式

出題形式は,事例問題と一行問題の2問構成となっています。

問題1の事例問題は刑法総論について,問題2の一行問題は刑法各論についてそれぞれ問う問題となっています。特に問題2の一行問題は,現行の司法試験における問題形式ではないので,独自の対策が必要となります。

解答の大枠

問題1について

Aが「病院での診療をかたくなに拒否し帰宅した」という介在事情があることから,甲・乙の暴行とAの死亡結果との間に因果関係が認められるかが問題となります。

さらに,共同正犯関係についても,甲と乙の故意にズレがあることから,異なる故意を持つ共同正犯者の罪責処理も問題になります。その際には,前提として甲が途中で現場を立ち去っていることから,共犯関係が解消されているかについての検討も必要になるでしょう。

問題2について

公務に対して業務妨害罪が成立するかという刑法各論における典型的な論点について具体例を2つ以挙げながら論じる問題です。

判例上は,「強制力を行使する権力的公務」以外の公務につき業務妨害罪が成立するとしているが,この基準にたつにしてもなぜそのような基準が妥当するかについても論じる必要がありそうです。具体例については2つ以上とされていることから,成立するものとそうでないものを挙げて違いが明確になるようにするとよいように感じます。

論点

問題1について

介在事情がある場合の因果関係判断については,行為者の行為によって重傷を負った被害者が,医師の指示に反して安静にせずに死亡したという最決平成16年2月17日が参考になるでしょう。

共犯関係からの離脱については,甲の立ち去りによって乙の第2暴行に対する甲の因果性が消滅したか否かが問題となります。判例は,最決平成元年6月26日が参考になります。

なお,共犯関係の離脱を否定した場合,一貫して甲と乙に共同正犯関係が成立することから,同時傷害の特例について論ずる必要はないと思います。

問題2について

判例上は「強制力を行使する権力的公務」でない公務については業務妨害罪の対象となるとしている一方で,学説上では,公務に「民間類似性」が認められるか否かによって区別するという見解も有力である。いずれの見解にたつとしても,その根拠と妥当性をきちんと述べることが求められているはずです。

総評

問題の形式は,例年事例問題と一行問題の2問構成となっています。一行問題は他のロースクールでもあまり出題がなく,独自の対策が必要となるでしょう。対策としては,大塚先生の「刑法各論の思考方法」が参考になると思います。

事例問題については,刑法総論の論点を中心に,各論についても基本的な論点を問うものが多いです。こちらについてはオーソドックスな問題であることが多いので,予備試験対策をしていれば十分に対応できると思います。

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