平成26年度早稲田大学法科大学院入試、刑法のポイント解説

平成26年度刑法_早稲田のサムネ画像です

形式

出題形式は,例年どおり事例問題と一行問題の2問構成となっています。

問題1の事例問題は,事例の長さとしても比較的短く,法科大学院入試の問題として適度な難易度であると感じます。

問題2の一行問題は,例年刑法各論の論点について,各々事例を挙げて論じることが求められています。現行の司法試験において一行問題の形式は問われることはないので,独自の対策が必要となります。

解答の大枠

問題1については,まず,A・Bの致死結果について因果関係が問題になります。また,乙はBの存在を認識していなかったことから,乙の故意も問題となります。

その他にも,保険会社に対する詐欺罪の実行の着手,甲が乙に対して自身への傷害結果及び車の損壊について同意を与えていることによる違法性阻却の可能性についても論じることが求められるでしょう。

問題2については,窃盗罪における不法領得の意思という財産犯の重要論点について解答を求める問題です。具体例を挙げることを求められており,単なる窃盗罪の典型例を挙げるだけではなく,不法領得の意思が問題となった事例を挙げることが必要でしょう。

論点

問題1について

A・Bの致死結果における因果関係に関しては,相当因果関係もしくは危険の現実化によって結論を出すことになります。いずれの立場によるとしても,事実を適切に評価して説得的に論ずることが求められています。Bの存在を知らなかったことによる乙の故意に関しては,法定符合説・具体的符合説等の見解を示した上で結論を導くことが必要です。

同意による違法性阻却に関しては,最決昭和55年11月13日が参考になります。もっとも,同決定は傷害罪に関するものであるので,かかる議論が器物損壊罪に対しても同様に妥当するのかについては判例の射程を意識して論じることが求められます。

問題2について

判例上,大判大正4年5月21日において「不法領得の意思」の定義づけ(権利者排除意思・利用処分意思)がなされています。これを示したうえで,権利者排除意思・利用処分意思が欠けているのではないかと問題となる事例,例えば一時使用目的や遺棄・隠匿目的の場合等を具体例として挙げて,この要件の意義を論じる必要があるでしょう。

総評

例年どおり,問題の形式は,事例問題と一行問題が出題されました。一行問題は他のロースクールでもあまり出題がなく,独自の対策が必要となるでしょう。対策としては,大塚先生の「刑法各論の思考方法」が参考になると思います。

事例問題については,刑法総論の論点を中心に,各論についても基本的な論点を問うものが多いです。こちらについてはオーソドックスな問題であることが多いので,予備試験対策をしていれば十分に対応できると思います。

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