平成28年度早稲田大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

早稲田_28年_憲法のサムネ画像です

形式

本問は、事例問題が1題という出題となっています。主張・反論・私見を述べる形式となっており、試験時間は1時間です。形式としては、予備試験に近いものだといえるでしょう。

もっとも、事例自体はさほど長いものではないため、予備試験に取り組んでいた人であれば、予備試験よりも解答に使える時間が10分ほど短いことを踏まえても時間的には余裕があったと思われます。

解答の大枠

本問で、Xは、減給処分について、自らの信仰の自由を侵害するものとして不服申立てをしようと考えていることが示されています。そのため、落ち着いて問題文を読めば、権利選択について迷うことはない問題だったといえるでしょう。

論点

まず、Xに対する上司の窓口業務の指示はXの信教の自由を制約しているのではないかが問題となります。

ここでは、上司の指示がXの信仰に反する行為を要求するものであるとして、Xの信教の自由を制約していると構成することになると考えられます。検討に際しては、エホバの証人剣道受講拒否事件や日の丸君が代不起立訴訟といった判例を参考にすると、高評価を得やすいと思われます。

次に、審査基準の設定が問題になります。X側からは、比較的迷いなく厳格審査基準によるべきことを主張できる事案であると思われます。また、審査基準を設定せずに、比例原則や比較衡量による方法もありうるでしょう。あてはめにおいては、具体的事情に評価を加えていきましょう。この評価の部分で大きく差がつくものと思われます。

そして、A市側からの反論においては、信仰を理由にXを「特別扱い」することが政教分離原則に違反するという主張がなされることが想定されます。判例を参考に、この論点についても言及する必要があるでしょう。

加えて、本問では、減給処分が重すぎ、裁量権の逸脱となるのではないかも問題になるでしょう。この論点についても、判例を参考に、言及することが求められていたと考えられます。

総評

本問も、早稲田大学法科大学院の他の科目と同様、論ずべき事項が多い問題であったといえるでしょう。書くべき論点が明確だっただけに、処理の速さとあてはめの表現力が勝負を分けたと思われます。

また、このような出題がされた場合、60分という試験時間は、予備試験の対策をしていない人に対しては、かなり厳しい時間的制約を課すものであるといえます。そうすると、論ずべき事項の多くについて、満足に触れることができなかった受験生も多かったのではと推測されます。

これらのことを踏まえると、法科大学院入試に関しても、予備試験の過去問に取り組むことが有効な対策であるといえるでしょう。

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