平成27年度早稲田大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

早稲田_27年_憲法のサムネ画像です

形式

出題形式は,短めの事例問題につき憲法上の判断を求めるというものでした。司法試験と異なって主張反論型とはなっておらず,自らの私見のみを書くという答案構成になります。

解答の大枠

本問は,「公立の美術館が政治的中立性を根拠に芸術の自由を制約することができるか,できるとしてどのような場合に制約が許されるか」が骨子となるでしょう。その上で,①芸術の自由の意義,政治表現との関係,②公立美術館の施設としての役割,③本件絵画の政治性,④本件条例の合憲性,⑤条例が合憲であるとして本件撤去が合憲か,といった問題点に解答することが求められていると思います。

論点

一般に,芸術は個人的・人格的な美の表現であると同時に政治的な意見表明も可能であるといえ,表現の自由として保障されるでしょう。これを前提に,本件絵画にどの程度政治性が認められるかについて言及する必要があると思われます。

そして,美術館は公共施設として芸術作品の展示が本来的な用途である一方で,公共施設であることからして政治的・宗教的な中立性も要求されるものといえます。このことを踏まえた上で,本件条例が合憲かについての言及が必要でしょう。

問題文において,「県立美術館運営条例に基づいてとったこの措置」としていることからも,条例そのものの合憲性判断を忘れずにすることが求められているはずです。合憲性判断においては,必ず審査基準を定立し,具体的に検討しましょう。

目的・手段審査によって違憲とすることが困難である場合でも,合憲限定解釈が可能であることを指摘して,本件絵画が撤去要求をするほどに「政治・宗教の支持・反対」にあたるかを検討していくこととなるでしょう。

総評

事例は文量も多くないものの,条例の合憲性判断から限定解釈を行った上で適用における合憲性判断まで求めているように感じられ,難易度はそれなりに高いものと思われます。

しかし,憲法の合憲性判断の流れを把握するには良い問題であるといえ,憲法の学修としても取り組んでみるとよいと思います。

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