平成27年度早稲田大学法科大学院入試、民法のポイント解説

早稲田_27年_民法のサムネ画像です

形式

出題形式は、事例問題が2問で、それぞれに2つの小問にわかれた構成となっています。早稲田大学法科大学院の民法は試験時間が2時間、配点も他の科目より大きいので、特に力を入れるべき科目であるといえましょう。

解答用紙は、1題あたり6ページ、合計で12ページあり、司法試験よりも多くの紙幅が与えられているため、紙幅の制約はあまり気にしなくてもよいでしょう。

解答の大枠

問題1

小問(1)は,請負契約の担保責任に基づき,解体・建替えに要する費用の損害賠償を求める問題です。建替え費用の損害賠償を認めることは,実質的に請負契約の解除を認めることとほぼ同義となり,635条但書との関係を踏まえて論じることが求められていると考えられます。問題文に「予想されるBからの反論も踏まえて」とあることから,乙建物の使用利益を賠償額から控除されないかについても言及することが求められているでしょう。

小問(2)は,損害賠償額の範囲を問う問題です。請負人の担保責任に基づく損害賠償は履行利益までを前提として賠償額の範囲を確定させることを試しているといえましょう。

問題2

小問(1)は,どのような構成でEが行った示談の効力をDに帰属させるかについて論じることが求められている問題といえましょう。

小問(2)は,DがAB夫婦の子ではないことから,親子関係不存在確認の訴えが原則として認められることを前提に,本問のような特殊な事情があることから,権利濫用法理により実質的な親子関係にある者らを救済することができないかと検討することが求められている問題といえます。

論点

問題1について

小問(1)は,本問類似の事案で建替え費用相当額の賠償を認めた最判平成14年9月24日が参考になるでしょう。また,乙建物の使用利益を損害額から控除すべきとの主張をどのように扱うかについて,最判平成22年6月17日が参考になると思います。使用利益を控除すべきとのBの反論を上記判例と整合的に捉えることができれば,よりよい答案になるかと思います。

小問(2)は,賠償範囲を確定させる際に,「損害軽減義務」という観点を考慮することが求められているように思います。損害軽減義務については,最判平成21年1月19日が参考になりますので,この視点を考慮して損害額を判断することができるかを検討する問題といえましょう。

問題2について

小問(1)は,Cの弁済の効力を肯定する方策として,表見代理と準占有者への弁済(478条)の2つが考えられます。この両者について検討することが求められている問題といえましょう。

小問(2)について,親子関係不存在確認訴訟が提起された場合,原則として親子関係は否定されることとなります。しかし,本問のように事実上の親子関係としての実態が長期間にわたり継続している場合,親子関係不存在確認訴訟を権利濫用に当たるとして認めないとする可能性が出てきます。近時の判例により議論が盛んになっている問題といえ,かなり難しい問題といえましょう。

総評

法科大学院入試において家族法が問われることはなかなかなく,また,全体としても論ずべき事項が多岐にわたるので,かなり難しい問題だといえましょう。法科大学院受験生でこの問題を解答しきることができる受験生は決して多くないと思います。できる問題からきちんと解いていくことで点数を稼いでいくことが有効であると思います。

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