平成26年度早稲田大学法科大学院入試、民法のポイント解説

平成26年度民法_早稲田のサムネ画像

形式

出題形式は,事例問題が2問で,それぞれに小問が2つ付されている構成になっています。

早稲田大学法務研究科の民法は試験時間が2時間、配点も他の科目より大きいので、特に力を入れるべき科目であるといえましょう。解答用紙は、1題あたり6ページ、合計で12ページあり、司法試験よりも多くの紙幅が与えられているため、紙幅の制約はあまり気にしなくてもよいでしょう。

解答の大枠

問題1

小問(1)は,①特定物売買であること,②Bの帰責事由の有無,③Bに帰責事由の有無に応じた請求手段について論じていく必要がある問題と考えます。

小問(2)は,事故歴があることをBの従業員CがAに対して告げなかったことが,AB間の売買契約にどのような影響を与えることになるかを述べた上で,錯誤及び瑕疵担保責任について両者の関係も踏まえて論じることが望まれているように思います。

問題2

小問(1)は,不法故意に基づく損害賠償請求が認められるかについて問う問題であるが,請求者が被害者本人・近親者・法人・重婚的内縁者である場合でどのように変わるかについて問われています。

小問(2)は,(1)と異なりAが死亡していた場合に,Aに生じた損害を一定の身分関係・経済的関係にある者が請求することができるかを問う問題であると考えます。

論点

問題1

小問(1)については,まず,契約内容の特定の段階で,目的物が中古車であることから特定物売買であることを認定する必要があるでしょう。かかる認定をすることで,Bが乙を引き渡すまで善管注意義務を負うことが導かれることになります。

その上で,Bに債務の履行不能につき帰責事由があるか否かを認定し,契約を解除した上で損害賠償請求するか,解除せずに損害賠償請求するか,危険負担の問題を自らの認定に応じて論じていくことが求められているでしょう。なお,危険負担の話を論じる場合,534条1項を文言どおりに適用してよいかについて争いがあることを理解して解答することが必要であるといえます。

小問(2)については,Bの従業員Cが故意に事故歴がないと告げたことが欺罔行為にあたること,かかるCの欺罔行為がBの欺罔行為と同視されることを,CがBに代理権限を与えられていることに基づいて論じる必要があります。その上で,錯誤について論じる場合には,事故歴のないことが契約の内容になっているか,要素の錯誤となっているか,という点について解答が求められていると考えます。

一方,瑕疵担保責任について論じる場合には,事故歴が物の瑕疵にあたるかの認定が求められ,さらに,責任内容として解除及び損害賠償が問題となること,契約の無効・取消しとの相違についてまで述べられることができればよりよい答案となるでしょう。錯誤と瑕疵担保責任の関係についても,意識して解答することができればよいと思います。

問題2

小問(1)は,①AからFに対する不法行為の損害賠償請求について,②B・Cという被害者Aの近親者からの慰謝料請求の可否,③法人であるDの逸失利益をFに対して賠償請求することができるか,④重婚的内縁者であるEは法的に保護されるのか,といった点に対する解答が求められます。

小問(2)は,Aの損害を法族法理によって主張することになるのか,それおとも不法行為による損害賠償で自己の固有の権利を侵害されたとして主張するか,という点が大きく問われているように思います。小問(1)と共通することですが,主張する者が複数人いますので,それぞれについてどのような違いが生じるのかについて整理できている答案がより評価されると思います。

総評

全体としても論ずべき事項が多岐にわたり,全体としてかなり難しい問題だといえましょう。本年度においては特に問題2が解答する文量も多く,難易度としてもかなり高いと思います。

法科大学院受験生でこの問題を解答しきることができる受験生は決して多くないでしょうから,できる問題からきちんと解いていくことで点数を稼いでいくことが有効であると思います。

あなたもレビューしませんか?

※先に「継続力」を理解する事が重要です。

難関な試験に合格する為には独学力を鍛えなくてはなりません。

司法試験の独学力.comでは、独学力を構成する「効率力」と「継続力」。特に独学で司法試験に合格する為の必須条件である「継続力」について解説しモチベーション向上を図ります。