平成27年度東京大学法科大学院入試、公法系のポイント解説

東大_27_公法系のサムネ画像です

1.形式

形式は、問が2問あり、設問1が憲法から、設問2が行政法からの出題となります。これは、例年通りの出題形式です。本年は、設問2は小問が2問あります。

2.解答の大枠

設問1

設問1は憲法からの出題です。原告の立場から憲法論を立論することが求められます。反論や自己の見解が求められる、いわゆる主張反論形式ではないので、それと比べると時間的には余裕がありそうです。

もっとも、本問は、名前を命名する自由に対する制約に関する仮想立法(名前法)についての問題で、現場思考型の問題です。違憲審査基準の設定だけではなく、名前を命名するということが、憲法上どのような保護を受けるのか、名前法における規制が憲法上の権利・自由を制約するものといえるのかなども十分な論述が求められているものと思われます。

設問2

小問⑴は、被告の特定が問われています。被告適格に関する問題です。

小問⑵は、第三者の原告適格が問われています。判例の規範が確立している問題ですので、これを前提に当てはめていくことになります。

3.論点

設問1

本問に関する直接の判例はありませんが、「悪魔ちゃん」命名事件など関連する裁判例はあるところなので、これを参考にするとよいでしょう。もっとも、必ずしも判旨まで押さえられている受験生は多くはないでしょうから、多くの人は現場で考えることになると思われます。

名前を命名する自由は憲法上において直接規定されていないので、憲法13条により保護されるなどの法的構成を検討する必要があります。そのうえで、保護された自由に対して、名前法との関係でどのような制約となるかについて具体的に検討しなければなりません。本問では、この点が重要な論点と思われます。

名前法の目的やそのための規制手段について記載があるので、違憲審査基準を設定して、目的・手段審査をするというオーソドックスな当てはめをするものと思われます。

設問2

小問⑴は、処分の取り消し訴訟における被告適格が問われているので、行政事件訴訟法11条を参考に当てはめをする必要があります。

小問⑵では、処分の名宛人ではない第三者の処分取消しの原告適格が問題となります。行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」の意義について判例の立場(法律上保護された利益説)から当てはめをすることになります。

本問では、条文そのものの記載はないので、行政事件訴訟法9条2項に照らして、簡潔に当てはめをすることになると思われます。

4.総評

設問1は、現場思考型の問題です。憲法訴訟は、未知の問題が多く、実戦的な問題といえます。このような傾向は、司法試験にもいえるものです。

設問2は、行政事件訴訟法の基礎的な問題といえますので、設問1の出来が大きな差をつけるものとなるでしょう。

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