平成28年度東京大学法科大学院入試、刑事系のポイント解説

東大_28_刑事系のサムネ画像です

形式

大問形式になっているため、70分間で刑法、刑事訴訟法をと解くことになります。東大は例年このような形式となっています。ただ、例年と比べ、問題が若干長くなったと思われます。もっとも難易度の変化はないと考えられます。

解答の大枠

刑法では、刑法総論についての理解が問われています。不作為の実行行為性や、因果関係、共犯について言及する必要があると思われます。

刑事訴訟法は、自白についての問題です。XとYが自白に至った経緯を分析し、自説からの説得的なあてはめがポイントとなるでしょう。

論点

刑法について

問題となる罪責は、傷害致死罪、殺人罪だと思われます。XはAに暴行を加え、Aが死亡しているものの、Aが死亡した直接的な原因は、YがAに治療を受けさせなかかったことによるため、因果関係が問題となります。危険の現実化や、相当因果化関係説を駆使して書くことになるでしょう。

また、YはXがAに暴行を加えることを黙認しているので、傷害致死罪の共謀共同正犯、不作為の幇助が問題となるでしょう。この際、因果関係が問題となります。さらに、虐待の発覚を恐れ、YはAに治療を受けさせていないので、不作為の実行行為、因果関係が問題となります。また、殺意の認定も必要となるでしょう。

刑事訴訟法について

刑事訴訟法ではYとXそれぞれの自白調書の証拠能力が問題となっています。自白では、任意性説、違法排除説等の学説がありますが、どの説をとるかよりも、各自がとっている説から説得的なあてはめができるかがポイントになりそうです。

特に、Xの自白は、教科書に掲載されているような典型的な事案ではありません。ここを自分の頭を使って考えることが大切です。評価次第ではどちらにも転びうる事案なので、採点官を納得させるようなあてはめがあるとよい答案になると思います。

総評

刑法、刑事訴訟法ともに、基礎力があれば対応できたと思われます。特に、刑法は、典型的な問題なので、素早く処理していく必要があります。事実認定というより、論理の運び方が肝要となるでしょう。

それに対し、刑事訴訟法では、事実を評価する力が問われています。これは、平成27年でも試されています。過去問をつかい対策をしていくと良いと思います。

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