平成26年度東京大学法科大学院入試、民事系のポイント解説

1.形式

民事系論文科目では小問⑴⑵の2問が出題され、小問⑴では民法、小問⑵では民事訴訟法から出題されます。

問題はコンパクトな事例問題ですが、2問で解答時間は70分と非常に短いため、時間切れに注意を要します。

2.解答の大枠

本問は短時間での処理が要求されるうえ、小問⑴は①②ともに難問です。これに対して、小問⑵の①②はともに基本的な問題であり、難問の小問⑴に答案作成の時間を奪われないように注意しなければなりません。

本問⑴は民法からの出題で、①②の2問が出題されています。

①では、売買契約の解除に関する問題です。解除の要件・効果を踏まえたうえで、適切な当てはめが要求されます。

②では、立法論としての意見に対する見解を述べることが求められています。民法改正においても、同種の議論がなされているところで、出題者が民法改正について強く意識していることが伺えます。

設問⑵は民事訴訟法の分野からの出題です。民事訴訟法の問題も、①と②に分けて出題されているため、この2点について答える必要があります。司法試験においてもよく問われる訴訟上の和解に関する問題であり、実務においてもよく利用されるものであるため、実務家登用試験ということを意識した問題といえます。

3.論点

小問⑴について

①は売買契約の解除に関する問題ですが、契約内容との関係で履行の内容も問われており、さらに主たる給付義務や付随義務についても考慮に入れたうえで、解除の要件を当てはめていくことまで求められています。そのため、相当に高度な法的評価が要求されるものといえます。

②は、履行遅滞解除における催告の要否に関する立法論について問われています。これは、基本書のみでの対応が難しい問題といえます。そのため、現行法における解除の効果や催告の要件が必要とされている制度趣旨等を踏まえて自己の見解を端的に示すことが必要です。設問の議論そのものを知らない場合には、本問で時間を無駄にしないように注意を要します。

小問⑵について

①は、訴訟上の和解の拘束力一般について問われており、基本的な問題が問われています。ここでは、訴訟上の和解の既判力の有無等を民訴法267条を踏まえて論じる必要があります。

②は、会社代表者として訴訟追行した者が商業登記上の代表取締役であるものの、正規の選任決議を経ていなかったという問題であり、登記における第三者保護規定(会社法908条)と訴訟行為との関係を問う問題です。この点に関しては基本的な判例があるところなので、判例の立場を踏まえて論じることが要求されます。

4.総評

小問⑴は、一見すると解除という基本問題ともいえる設問ですが、応用力が問われる問題です。催告という要件ひとつをとっても、解除の制度趣旨に遡って考えることが要求される良問といえます。

小問⑵は、実務上も重要であり、極めて基本的といえる問題でもあります。

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