平成26年度大阪大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

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26年度の本問ではX1,X2各々について、X1を弁護する立場から現行制度は違憲であることを主張することとなります。

設問中に「酒類製造の一律免許」及び「酒類販売の一律免許」の現行制度について検討するよう指示されていますので、このことについての検討は必須です。事案自体は単純なもので、また問われていることは明確なので法律構成で悩むことはあまりないでしょう。

解答の大枠

まず、X1については販売する意図はなく、純粋に自己で費消するために清酒を製造しているので、酒類製造の自由が問題となります。右自由がそもそも保証されるか、保証されるとして本件規制は規制されるかを事案の事情を拾いつつ具体的に検討しましょう。

次に、X2については酒類製造の自由のみならず、酒類販売の自由についても問題となります。これも保護範囲の検討や規制の有無、正当化について具体的に検討することが求められます。

論点

X1について

まず酒類製造の自由がそもそも保証されるかが問題となるわけですが、判例(最判平元12.14)はいわゆるどぶろく事件において「自己消費目的の酒造の禁止」を13条の問題と位置付けています。

仮にX1を弁護する立場で論証する際には、酒造することの利益について詳細に検討する必要があるでしょう。人格的生存に不可欠なものに限定する厳格的利益説からは、保護範囲に含まれると主張することは困難に思えます。その場合は一般的自由説に立ち、保護範囲に含まれることを緩やかに認めるなど工夫が必要でしょう。

また22条の問題と位置付けることもできますが、経済的自由と位置付けてしまうと審査基準を厳格にすることがなかなか困難となるのであまりお勧めはしません。(ちなみにどぶろく事件の1審・2審は22条の問題と位置付けていました。)

次に違憲審査基準の定立ですが、自己消費目的の製造についての制約であること、規制態様も刑罰など強度の制約であることなどを指摘し、違憲の結論を導けるよう合理的な範囲で厳格な審査基準を導きましょう。具体的な当てはめにおいてはX1の言い分なども参考にし、目的・手段の合理性について詳細に検討するのが望ましいです。

X2について

酒類販売の免許制について、判例(最判平4.12.15)は22条1項の問題と位置付けています。なので保護範囲論証ではX2の酒類販売の自由は22条1項で保障されることを簡単に指摘すれば足りるでしょう。問題は違憲審査基準の定立です。

判例(最判平4.12.15)においても問題となりましたが、酒類販売免許制の規制目的は複合的なものです。なので従来の通説であった規制目的二分論では機械的に審査基準を導くことはできません。ここも権利の重大性・制約の強度を勘案し、合理的な範囲で厳格な基準を導きましょう。

当てはめについてはX2の言い分を前提に、説得的に検討する必要があります。判例(最判平4.12.15)では合憲となっていましたが、酒税の税収全体に占める割合がさらに低下していることなど立法事実の著しい変化を指摘すれば結論をことにすることは十分に可能です(その際には坂上裁判官の反対意見も参考になるでしょう)。

総評

論じるべき内容・方向性・結論も設問中に指示されていたので、どのような法律構成にするかで悩むことはあまりないでしょう。しかし、二人の人権を検討しなければならず、時間的猶予はあまりなかった問題であると言えます。争点となっているところを見極め、メリハリの効いた答案を意識しましょう。

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