平成28年度大阪大学法科大学院入試、商法のポイント解説

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形式

大阪大学法科大学院の商法は、民事訴訟法と併せて90分の中で回答することになっています。配点はそれぞれ50点ずつですので、時間配分も一科目あたり45分が標準になります。
問題形式としては、事例問題が1問と、論点を検討させる小問が2つとなっています。

解答の大枠

第1問について

小規模閉鎖会社における取締役の選任・解任の効力を検討させる問題です。閉鎖会社の問題は公開会社の問題に比べれば少ないかもしれませんが、それぞれの違いをきちんと理解したうえで回答する必要があるでしょう。

第2問について

設問①は、公開会社において、代表取締役が必要な手続きを経ることなく重要な財産の譲渡をしてしまった場合、相手方が契約の無効を主張することができるのかを問うものです。まず「必要な手続」について明らかにした上で、判例の考え方を紹介することになります。

設問②は、必要な手続きを経ることなく事業譲渡をしてしまったパターンについて検討させるものです。設問①との違いを意識しつつ解答すると良いでしょう。

論点

第1問について

閉鎖会社に関する規定をきちんと摘示することが大切です。

Bの選任・Aの解任はBCD間の「株主総会」で決議されています。この総会についてはEが電話で伝えたり、直接伝えただけで、招集手続(299条1項)は踏まれていないように見えますが、300条で省略が可能です。

Aが当初総会の目的事項に掲げていなかった「Aの解任」について決議することができるかも問題となりますが、これも309条5項で可能です。

第2問について

まず設問①について、重要な財産を処分するにあたっては、取締役会決議を経る必要があります(362条4項1号)。これを経ないでなされた重要な財産処分の効力については最判昭40.9.22、相手方からの無効主張の可否については最判平21.4.17が参考になります。

次に設問②について、事業譲渡をするにあたっては、株主総会の特別決議を経る必要があります(467条1項2号、309条2項11号)。これを経ないでなされた事業譲渡については、最判昭61.9.11が参考になります。重要な財産処分に比べてスケールが大きいために、より法的安定性が要求されるという視点で考えると良いでしょう。

総評

基本的な知識の定着度を問う、阪大らしい出題です。第1問の小規模閉鎖会社については、条文をきちんと知っているかどうかが重要です。条文を細かく摘示し、基本的なところでコツコツと得点することで、他と差をつけましょう。

第2問についても、有名判例からの出題ですので、百選をきちんと一通り読み、落とさずきっちり答えられるようにしましょう。

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