平成27年度大阪大学法科大学院入試、商法のポイント解説

大阪_27_商法のサムネ画像です。

形式

大阪大学法科大学院の商法は、民事訴訟法と併せて90分の中で解答します。配点はそれぞれ50点ずつなので、かける時間も均等に45分ずつというのが標準となるでしょう。

設問は大問が2つ、それぞれの大問に小問が2つずつであり、そこそこボリュームがあるため、45分間でテキパキ処理する必要があります。

なお、「商法」と銘打ってますが、出題範囲は会社法のみとされているため、商法総則や手形小切手法などの対策は不要です。

解答の大枠

第1問について

設問1は、公開会社と非公開会社で新株発行の際の決定機関が違う理由を答えさせるものです。基本的な理解を問うものですので、ノータイムで処理したいところです。

設問2は、新株発行の是非を争う手段を問うものです。大事なのは、「同日(本件広告の翌日)時点での法的手段」というところです。

第2問について

設問1は、本件不動産の売却にあたり、これに反対する取締役Bに招集通知を発しないままなされた取締役会決議の効力を問うものです。瑕疵ある取締役会決議については、株主総会決議のような規定が会社法にないため、原則無効となり、例外として有効になる余地があるかどうかを検討することになります。

設問2は、仮に取締役会決議が無効であるとした場合に本件契約の効力がどうなるかを問うものです。問題の事情を使いつつ、判例の基準に従って処理しましょう。

論点

第1問について

設問1については、公開会社では株主の構成が流動的で持株比率維持に対する関心が薄く、機動的な資金調達が重視されること、他方非公開会社では持株比率維持の利益を保護する必要性が強いことを指摘すれば良いでしょう。

設問2については、未だ新株が発行されていない時点であることから、新株発行差止め請求をすることになるでしょう。新株発行無効の訴えは、既に新株が発行された後にする“事後”の手段です。

請求が認められるかどうかについては、差止事由(210条各号)に該当するかを検討しなければいけません。本件では①有利発行にあたれば210条1号事由に該当(199条3項違反)、②不公正な方法により発行されたのであれば210条2号事由に該当、という二つの差止事由について検討すべきでしょう。

あとは、これらについて判例の基準を定立し、問題文の事情(ディスカウント額、設備投資の必要性、Y社経営陣の思惑など)を使いつつ自分なりに評価して結論を導き出しましょう。

第2問について

設問1では、最判昭44.12.2を参考に、Bが出席しても決議の結果に影響がなかったといえるのかどうかを考えましょう。その際、問題文に挙げられた経緯を挙げつつ理由づけをすることができれば、より説得的です。

設問2については、最判昭40.9.22によれば、本件契約に基づく取引行為は内部的意思決定を欠くにとどまるとして原則有効であり、相手方が取締役会決議の無効を知り、または知りうべかりしときに限って無効ということになるでしょう。本件で、相手方の主観がどうであったかは、問題文の事情から判断することになります。

以上が設問2のメイン論点ですが、その前提として、そもそも本件不動産の売却が「重要な財産の処分」(362条4項1号)にあたるのかということについても触れておくべきでしょう。

総評

論点ばかりを問うのではなく、第1問の設問1のような基本的な理解も求めています。

また、時間と問題数の関係から、解答もシンプルに、基本的な知識があることを端的にアピールできるかどうかが重要でしょう。それだけで十分合格水準に達すると思われます。

あなたもレビューしませんか?

※先に「継続力」を理解する事が重要です。

難関な試験に合格する為には独学力を鍛えなくてはなりません。

司法試験の独学力.comでは、独学力を構成する「効率力」と「継続力」。特に独学で司法試験に合格する為の必須条件である「継続力」について解説しモチベーション向上を図ります。