平成26年度大阪大学法科大学院入試、商法のポイント解説

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形式

大阪大学法科大学院の入試では、商法と民事訴訟法の試験が一括り90分の枠で課されます。配点は商法、民事訴訟法いずれも同じく50点ずつであるため、時間配分もそれぞれ45分ずつが標準になるでしょう。

問題の形式としては、設問3つとなっています。配点はそれぞれ設問1:10点、設問2:15点、設問3:25点であり、設問1は単純な知識問題、残りは論述問題という構成です。

解答の大枠

設問1について

シンプルな条文問題です。試験時間が45分しかないため、残りの論述問題の時間を確保すべく、反射的に解答したいところです。

設問2について

本件プレゼント制度が利益供与の禁止に抵触するかを検討させるものです。双方の主張を考慮するよう指示があるため、必ずこれを守る形で解答を作成しましょう。

設問3について

本件プレゼント制度が仮に違法であった場合に、会社法上どのような是正措置をとることができるかを検討するものです。試験時間のタイトさを考えると、個々の手続について厚く論じることは現実的でないため、要件等をサクサク要領よく書いていくことが求められます。

論点

設問1について

小問(1)は「1000人」、条文は298条2項です。甲社は株式を上場していると問題文にありますが、本問で問われているのは「会社法に定められた」数ですので、上場会社についての規律について考慮する必要はないでしょう。

小問(2)は「議決権を行使することができる株主の議決権の1/3」、条文は341条です。

設問2について

120条1項の「利益の供与」にあたるかを検討することになります。

会社提案に賛成する議決権の行使の獲得を目的として、有効な議決権行使を条件として株主にQuoカードを交付したことが利益供与にあたると判断した東京地判平19.12.6が参考になります。

これによれば本件プレゼント制度も、目的が正当であるかどうかが利益供与該当性の分水嶺となるでしょうから、目的に関する双方の主張をきちんと並べたうえで、自身の見解を述べましょう。

設問3について

いろいろ考え得るところです。

例えば、利益供与に該当し違法であるのであれば、取締役に利益の価格に相当する額の支払い義務が生じるため(120条4項)、これを株主代表訴訟という形でXが追及することが考えられます。

これを論じるにあたって、すぐに株主代表訴訟を論じるのではなく、847条に従い提訴請求の段階からきちんと書きましょう。

その他の手段として、429条や831条を書いてみても良いかもしれませんが、やはりメインは前述の利益供与に関する規律でしょう。

総評

約45分というタイトな時間の中で3問解答しなければならないため、「思考の深さ」というよりは「要領の良さ」が大事なのかと思います。

特に設問2、設問3については、書こうと思えばいくらでも書くことがありそうですが、時間のことをしっかり考えてテンポよく要点を押さえた解答を作成しなければなりません。

また、設問1については出来ればノータイム(一応ササっと条文番号を六法で確認する程度)で解答したいところです。普段からしっかり条文に触れる形の勉強が必須です。

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