平成27年度大阪大学法科大学院入試、民事訴訟法のポイント解説

大阪_27_民事訴訟法のサムネ画像です

形式

形式は、問題が2題出題されています。第1問は用語説明の問題で小問が4問で配点が20点、第2問は事例問題で配点が30点です。用語説明の配点が4割ということなので、かなり配点が割られているという点が特徴といえます。

解答時間は、商法と民事訴訟法で90分となります。商法の問題を解く時間を考えると45分以内に解答すべきですので、時間的には余裕はありません。時間短縮のためにも、用語説明については十分に準備をしておくことが必要でしょう。

解答の大枠

第1問について

本問の用語説明は4問出題されていますが、自由心証主義や判決の確定など、民事訴訟法を学ぶうえで必ず押さえておかなければならないものが多いので、ここは確実に解答したいところです。

第2問について

本問は、事例問題です。第1訴訟は所有権に基づく土地の明渡請求訴訟であり、第2訴訟は売買契約に基づく建物の引渡請求訴訟であり、不動産の明渡しまたは引渡しを求めるという点で類似しますが、両者の異同に着目して、類似の判決ですが、民事訴訟法の基本原則に照らして何がどう問題となるのかを検討する必要があります。

論点

第1問について

自由心証主義や判決の確定などは、一行問題としてかなり書くことができる用語でもあります。時間との関係を考えて、意義や趣旨など必要不可欠な点を簡潔に書くことが求められます。

小問⑴は、「合意管轄」という用語説明で、管轄の分野でも基本的な用語については押さえておく必要があります。

第2問について

本問では、処分権主義(民訴法246条)および弁論主義という民事訴訟法の基本原則に関する問題です。処分権主義と弁論主義では、前者が請求レベルでの問題であり、後者が(事実の)主張レベルの問題という点を正確に理解したうえで、解答することが求められます。

まず、処分権主義レベルで問題がない点を確認する必要があります。請求レベルでは、第1訴訟が所有権に基づく甲土地明渡請求権を訴訟物として、判決は全部認容しているので、この点で処分権主義に違反しないかについて的確に答える必要があります。

第2訴訟では、売買契約に基づく乙建物の引渡請求権が訴訟物であるにもかかわらず、贈与契約に基づく乙建物の引渡請求権が認容されており、審判対象を逸脱した判決ですので、この点について的確に指摘して処分権主義との関係でどうなるのかを検討しなければなりません。

次に、第1訴訟では所有権の取得原因事実の請求原因として、第2訴訟では売買契約に基づく債権的請求の請求原因として、売買契約締結の事実が主張されているにもかかわらず、いずれについても判決では売買契約締結の事実を認めず、贈与契約の事実を認定しています。この点について、主張レベルで、弁論主義違反となるのかについて検討することが必要となります。

また、裁判所は釈明を求めることなく異なる法的構成で判決で認定している点で、法的観点指摘義務の問題についても考えることができます。

総評

第1問の用語説明問題、第2問の事例問題のいずれも基本事項に関する問題であり、良問といえます。

特に第2問の事例問題は、処分権主義や弁論主義といった基本的な事項に関する問題について、適切な当てはめが求められるところであり、民事訴訟法における基本原則の正確な理解が必要とされています。司法試験でもこれらの基本原則に関する問題はよく出題されるところでもあり、基本の重要性がうかがわれるところです。

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