平成28年度大阪大学法科大学院入試、行政法のポイント解説

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形式

大阪大学法科大学院の行政法は、憲法と併せて90分の試験時間で解答することになっています。配点は、憲法と行政法でそれぞれ50点ずつなので、それぞれの科目にかける時間も45分ずつというのが標準になるかと思われます。

問題は設問が2つで、設問(ア)が本件事業認定の要件について、設問(イ)が違法性の承継に関する問題です。

解答の大枠

設問(ア)は、本件事業認定が土地収用法20条3号の「事業計画が土地の適正且つ合理的な利用に寄与するものであること」という要件に違反するという主張を組み立てることが求められています。同条の解釈については、日光太郎杉事件の裁判例(東京高判昭48.7.13)を参考に、本件事業認定が裁量を逸脱濫用したという主張が考えられます。

設問(イ)は、行政行為の違法性の承継に関する考えを踏まえて、本件裁決の取消しが認められるかを論じることが求められます。違法性の承継については、最判平21.12.17を参考に論じると良いでしょう。

論点

設問(ア)について

土地収用法20条3号の要件の存否についての判断につき裁量が認められるかについて論じたうえで、認められるとしてその逸脱・濫用の判断基準を示して、本件事業認定において考慮すべき点が考慮されていないか、考慮に入れるべきでない点を考慮しているか、などの事情を拾って違法性の主張を組み立てることになります。

設問(イ)について

違法性の承継については、最判平21.12.17が、先行行為と後行行為の目的の同一性と沿革的・実質的一体性、先行行為における手続的保障の有無・程度などを考慮して判断しているので、この点を踏まえて、本件事業認定の違法性が本件裁決に承継されるか検討したうえで、本件裁決の取消しが認められるか論じる必要があります。

違法性の承継の典型例として、土地収用法に基づく事業認定と収用裁決が挙げられるところなので(東京地判平16.4.22)、違法性の承継が肯定されることを前提に、上記最判の判断枠組みでうまく当てはめできるかがポイントと思われます。

総評

裁量の逸脱濫用に関する主張構成と違法性の承継という行政法の基本論点に関する問題です。もっとも、具体的な事例問題においてうまく事実を拾って当てはめできるかどうかは、基本事項の理解や判例学習の進み具合によって差が出るところだと思われます。

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