平成27年度大阪大学法科大学院入試、行政法のポイント解説

大阪_27_行政法のサムネ画像です

形式

本年度の大阪大学法科大学院入試・行政法は憲法と合わせて90分で解答します。事例は予備試験程度の比較的短いものですが、行政法に割ける試験時間は実質45分程度と短いので、時間配分に気をつける必要があります。

設問は2つですが、配点比率は2:3といずれの問題もそれなりに検討しなければならず、事務処理能力も問われるものと言えるでしょう。

解答の大枠

設問1では誰を被告に、どの訴訟を提起するかを検討します。その際には問題となる訴訟要件についても検討しますが、試験時間が限られているので、主に問題となる訴訟要件に限って検討するよう意識しましょう。

設問2では本件処分の適否を検討することとなります。その際には問題文中の事実を指摘し、具体的に事案を検討する姿勢を示しましょう。

論点

設問1について

まず、Xはどのような訴訟を選択すべきかを検討します。本問でXは本件処分により年金額が減額されているので、本件処分の取消訴訟を提起することが考えられます。その場合の被告は行政事件訴訟法11条1項1号より、国となります。

また訴訟要件についてですが、法91条の3により、裁決を経た後でなければ取消訴訟を提起できないことを指摘する必要があります。そのほかの訴訟要件(原告適格・処分性など)については特に問題はないので、あえて検討する必要はないでしょう。

設問2について

設問2では本件処分が違法と判断される見込みについて検討することとなります。まず有利な事情についてですが、厚生年金は傷病した労働者の生活の安定と福祉の向上を目的とするものであるところ、Xは年金以外収入はなく、年金額が減額され、過払金の返済の必要があることなどにより、一家の家計が非常に苦しくなっているのであり、本件処分は法が厚生年金を支出する目的に沿わないことなどが挙げられます。

反対に不利な事情としては本件処分の理由はXがあえて最後に交付された年金通帳の記号番号を記入したことに起因していること、Xは実際に本来よりも高額の年金額を受領していたこと、過払金の返還請求の範囲も過去5年分に限定し、分割での支払いを求めるなど受給者に配慮した形であることが挙げられます。

結論としては違法・適法どちらも考えられますが、Xの落ち度が大きい本問では適法の結論とするのが筋が良いと思います。

総評

本問は厚生年金制度と絡む事例問題ですが、問われている内容は訴訟選択や訴訟要件、本鞍上の主張内容など基本的なものなので難易度自体は高くありません。時間配分に気をつけ、設問1にあまり時間をかけすぎないよう注意しましょう。

あなたもレビューしませんか?

※先に「継続力」を理解する事が重要です。

難関な試験に合格する為には独学力を鍛えなくてはなりません。

司法試験の独学力.comでは、独学力を構成する「効率力」と「継続力」。特に独学で司法試験に合格する為の必須条件である「継続力」について解説しモチベーション向上を図ります。