平成26年度大阪大学法科大学院入試、行政法のポイント解説

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形式

大阪大学法科大学院の行政法は、憲法と併せて90分の試験時間で解答することになっています。配点は、憲法と行政法でそれぞれ50点ずつなので、それぞれの科目にかける時間も45分ずつというのが標準になるかと思われます。

問題は設問が2つで、設問1が訴訟選択の問題、設問2が訴訟要件を問う問題です。いずれも非常にオーソドックスな出題です。

解答の大枠

「鉄道運賃の値上げ」、「定期券」というキーワードから、近鉄特急料金訴訟(最判平1.4.13)が思い浮かぶのではないでしょうか。

判例を知っていれば、訴訟選択・訴訟要件の主要な争点についてあたりが付くでしょう。ただ、本件は、16条1項の認可がなされたのが2011年であり、法的手段を検討しているのが2013年ですので、注意が必要です。

論点

設問1について

まず思いつくのは認可の取消訴訟ですが、認可のときからすでに2年程が経過しているため、提起することはできません(行訴法14条1項)。そうなると、認可の無効確認訴訟を提起することになるでしょう。

他にも、国賠訴訟が考えられますが、問題文に「行政事件訴訟法が定める訴訟のうち」と書いているため、挙げてしまうとかえってマイナスになります。気をつけましょう。

設問2について

まず一番に思い浮かぶのは、「原告適格」の検討でしょう。無効確認訴訟の「法律上の利益を有する者」(行訴法36条)も、取消訴訟と同じ規範で検討すれば足ります(もんじゅ訴訟、最判平4.9.22)。

そうすると、定期券で鉄道を日々利用するXのような者の利益が、一般公益の中に吸収されるものなのか、それとも個別の利益として具体的に保護されているのか、鉄道事業法・同施行規則の趣旨に照らして検討する必要があります。

鉄道利用者は一応「利害関係人」に該当することになっていますが(鉄道事業法65条1項、2項、同施行規則73条3号)、このことが原告適格の認定にどう影響するのかを書くべきでしょう。

無効確認訴訟の訴訟要件として、もう一つ「目的を達成することができないものに限り」という要件があります。ここはそこまで厚く論じるところではありませんが、無効確認訴訟がより直截で適切な争訟形態であることを一応述べておきましょう。

総評

訴訟選択、訴訟要件の選択という、きわめてオーソドックスな問題であるため、解答は難しくないかと思われます。ロー入試の段階では、行政法を苦手としている人も多いため、基本的なことがきちんと書ければ十分頭一つ抜けることができるのではないでしょうか。

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