平成27年度京都大学法科大学院入試、刑法のポイント解説

平成27年度刑法_京都のサムネ画像です

形式

第1問と第2問の合計2問から構成されています。それぞれ、問題文は1ページ程で、甲と乙の2名の罪責を検討させるものです。第1問は、主に総論分野から、第2問は各論分野からの出題でした。

解答の大枠

第1問

Aの頸部を締め付けA死亡の直接的行為を行った乙の罪責から検討するのがよいでしょう。乙が暴れるAに足払いをかけて転倒させた行為、および引き続き頸部を締め付けた行為を検討することになると思われます。この行為がAの暴行に対する正当防衛といえるか過剰防衛になるかを検討することになるといえそうです。

そして、甲も乙同様に、Aへの暴行が正当防衛になるのか、さらに進んでA死亡結果について乙と共同正犯になるかを検討することになると思われます。

第2問

甲が行っている行為を1つずつ、何の罪が成立するのか簡潔に認定していくことになるでしょう。そして、Cに捕まった甲を逃がすため、甲に助けを求められた乙がCを殴打しているところでは暴行の共同正犯を検討することになると思われます。

論点

第1問

暴れる乙に足払いをした上転倒させ、さらにはいつものように押さえつけていた行為は、暴行罪に当たるといえそうです。しかしこの行為は、正当防衛と評価されていいかと思います。さらにAの頸部を強く締め付けていることを正当防衛で評価し尽くすか、過剰防衛と考えるか答案は分かれるでしょう。この点、乙は、いつもより強く押さえつけている点を過剰防衛と評価するのであれば、傷害致死罪の認定へと流れると思われます。

甲については、乙と意思連絡し、乙と同様に暴れる乙を押さえつけたことは、暴行罪の共同正犯に当たっても、正当防衛と評価されてよいでしょう。ただ、甲と乙の共謀内容は、暴れるAを押さえるという暴行にとどまるので、甲には死亡結果までは帰責されないという処理が可能と思われます。

第2問

甲については、Aを車に引き入れた行為は暴行を手段としているため、略取にあたるといえそうです。その際打撲を与えているので、傷害罪が成立しそうです。さらに、部屋に閉じ込めた点を監禁罪、包丁を突き付けた点は脅迫罪と認定できるでしょう。

そして、消費期限が過ぎた商品をスーパーの棚に置いた点は、信用毀損罪を認定できると思われます。そして、追いかけてきた店員Cに対し、乙と共謀し暴行した点につき、暴行罪の共同正犯を認定することができそうです。

乙は、Cに対し暴行を加えていますが、状況の認識違いがあります。そのため腕をつかんでいるだけのCに激しく殴打する行為は、手段として相当でないと評価するのであれば、誤想過剰防衛となり、甲と暴行罪の共同正犯と認定できそうです。

総評

第1問は、正当防衛や共同正犯について事実を的確に評価し認定することが求められているといえそうです。第2問では、さまざまな犯罪についてもれなく事実を拾って処理していくことが必要です。1、2問を通して幅広い知識と処理が求められているため、刑法全体について理解していることが求められた問題であるといえると思います。

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