平成28年度京都大学法科大学院入試、刑事訴訟法のポイント解説

平成28年度刑事訴訟法_京都のサムネ画像です

形式

本年も、平成27年度と同様、事例問題ではなくいわゆる一行問題が出題されました。

一行問題という形式自体は、前年と同様であったため大きく動揺する受験生はいなかったと思われます(一行問題自体、珍しいためある程度の動揺はさけられないのですが…)。

時間は刑法と刑事訴訟法合わせて3時間です。そのため、時間のかかる刑法をしっかり解ききってから、余った時間で一行問題を書けるだけ書くという作戦が一番安全かと思われます。

解答の大枠

一行問題という形式自体は前年と同様ですが、内容については平成27年度が「当事者主義」というメジャーな用語を中心に論じればよかったのに比べ、本年度は「目撃状況に関する供述」の収集方法や証拠とするための法的手段という、やや曖昧なイメージしか抱けないテーマについて論じなければなりませんでした。

そのため、一体何を書けばいいか分からないという受験者もいたかと思われますが、「刑事訴訟法の条文を挙げて」と指示があることから、六法を開いて条文を手掛かりにするのがもっとも適切なアプローチであると思われます。

刑事訴訟法に限らず、法律の試験はとにかく「論点中心」というイメージが強いため、ついつい「論点抽出」なるアプローチに傾倒しがちですが、少なくとも本年度の刑事訴訟法については論点ではなく、条文・制度の理解を示すことが何より重要であったと思われます。

論点

供述を収集・保全する法的手段

当然ですが、問われているのは「法的手段」であるため、事実としての手段(「人に聞いて回る」等)を書いても意味はありません。

手段としては、まず参考人取調べ(223条1項)があげられます。他にも、証人尋問(143条以下)があります。過料の制裁(150条1項)で出頭の確保がなされていることも指摘できると良いでしょう。他にも、告訴(230条)、告発(239条)も手段として挙げられます。

また、「保全」とあることから、証拠保全についての指摘も必要です。被告人側からの証拠保全請求(179条)や、検察官の公判期日前の証人尋問(226条)が考えられます。

供述を犯罪事実認定の証拠とする法的手段

上述した手段を経て、実際にどのように証拠化するのかをイメージできれば良いかと思われます。

参考人取調べ、告訴、告発については、調書が作成され(223条2項、198条3項。241条)、この調書が証拠として提出されることになる可能性があります。この調書に証拠能力が認められるかどうかについて、伝聞法則を軽く説明しておくと良いでしょう。

証人尋問については、調書も作成されますが、証人の“口頭の言葉”自体が証拠となります。

総評

前年度に比べて、やや書くことを選別しにくい一行問題でした。

一番大切なのは、論点を探そうとしないこと、条文をしらみつぶしに拾い上げる姿勢を見せることです。

問題を作成された先生の意図としても、学生が論点だけでなく基本的な制度からきちんと理解しているか、捜査について具体的なイメージをもって勉強をしているのかを問うというものであったと推察されます。対策をするにあたっては、きちんと条文を読み込み、具体的なイメージをしっかり持てるようにしましょう。

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