平成27年度京都大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

平成27年度憲法_京都のサムネ画像です

形式

京都大学法科大学院の憲法は、行政法とあわせて3時間の試験時間で行われます。配点は憲法が100点なのに対し、行政法が50点であることから、単純に時間配分をすれば憲法には2時間かけることが可能でしょう。

もっとも、本年度の行政法の試験問題は個別法の参照条文が多く、この解釈に時間を要することが予想されます。したがって、あらかじめ憲法に2時間、行政法に1時間といったように時間配分を決めておくのではなく、配点割合は当然考慮した上で、問題文を開いた時点で両科目にかける時間を決めた方が良いかと思います。

憲法の問題形式は、設問が2つ出題されていますが、第1問は事例形式であるのに対し、第2問は事例形式ではなくいわゆる一行問題のような形式です。設問ごとの配点は公表されておりません。

解答の大枠

第1問は、A市の行ったBの市民会館使用許可申請に対する不許可処分に対する憲法上の評価を問う問題です。事例自体は泉佐野市民会館事件(最判平成7.3.7百選Ⅰ-86)をベースとした問題であると思われますので、これに沿った解答ができれば問題はないでしょう。

第2問は、裁判員制度の合憲性について、合憲・違憲両方の立場からの立論を述べた上で、自身の見解を求める問題です。本問は事例問題形式とはなっていないものの、第1問同様にベースとなっている判例(最大判平成23.11.16百選Ⅱ-181)がありますので、こちらを想起できれば解答に窮することはないように思います。

論点

第1問について

本問は、集会の自由の制約の合憲性を問う問題です。また、Bが集会を開こうとしている場所が市民会館であることから、いわゆるパブリックフォーラム論についての言及も求められます。集会の自由が問題になることを述べた上で、当該権利の重要性、制約がどのような場合に可能となるかを論証し、本件は制約が可能であるか、すなわち「正当な理由」があるかについて事実を評価して論じていくことになりましょう。

事実の評価については、Bが集会を開催することに対してCが対立する姿勢を明らかにしていることについての評価が求められています。合憲・違憲のどちらの結論にするとしても、この点の事実を説得的に評価することができれば高評価につながると思います。

さらに、A市の不許可の理由にあるA市の政治姿勢への疑いを招きかねないという点についての言及もなされていればなおよいと考えます。

第2問について

本問は、裁判員制度に対する合憲性を問う問題です。判例では多岐にわたる憲法上の主張に対する判断がなされていますが、問題文において「裁判員の基本権侵害に関する論点に触れる必要はない」とされていますので、国民の司法参加が憲法上許容されているのかという点に解答することが求められていると思います。

裁判員裁判の仕組みに対する理解を前提に憲法のどの条文が問題になるのかを明示して、簡潔に合憲・違憲の見解を述べていけばよいでしょう。

総評

両設問ともに、憲法判例百選に掲載されている事例がベースとなっている問題です。したがって、判例に沿った解答ができれば十分に評価されるはずです。

対策としては、ありきたりではありますが、百選掲載判例のチェックを怠らないことが第一でしょう。特に第2問は判決原文を細かく読んでいないと違憲論の構成ができないという人もでてくるかもしれません。判例を精緻に読む姿勢が求められているといえましょう。

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