平成26年度京都大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

平成26年_京大_憲法のサムネ画像です

形式

憲法は、行政法とセットで試験時間が3時間設けられているため、実質的には一科目あたり90分で解くことが目安になるかと思われます。

憲法は、大問が2つあり、第1問で人権分野、第2問で統治分野が問われています。平成26年度ではこの両分野から出題がありましたが、必ずしも毎年両分野から出題されるというわけではなく、年度によっては人権分野から2問出題されることもあります。

解答の大枠

第1問は、乳幼児や児童などの未就労者の逸失利益を男女別の平均賃金を基礎に算定することについての憲法上の問題を論じるというものです。男女別、ということから平等権を論じることになることがすぐに分かると思います。

第2問は内閣が国会に対して連帯して責任を負う(66条3項)という議院内閣制と、衆議院の内閣不信任決議権(69条)をどのように整合的に解釈するかを問うています。「責任」の概念を説明した上で、という注文がついています。

論点

第1問について

平等権の問題なので、判例・通説に従って男女の逸失利益の計算に差があることが不合理な差別といえるかどうかを論じることになります。

論じ方は様々あるところです。例えば、未就労児の逸失利益の計算は、既にある平均データを参照するほかなく、そうなると男女別の平均賃金を参照することになり、これは客観的なデータを参照としているだけであるから不合理な差別とはいえないという主張がありえます。

逆に、男女で“別”の平均賃金を参照すること自体が不合理な差別であるという主張もありますし、そもそも女性の出産能力などを考慮すれば「賃金」を指標とすること自体差別であるという主張もありえるでしょう。

第2問について

まず、「責任」の概念を説明することになります。「責任」というと、法律では法的責任が多くの場合想定されていますが、66条3項にいう「責任」は“政治的責任”であると解されています。政治的責任ということはつまり、特に法的な効果が認められたものではないということになります。

それにもかかわらず、69条では衆議院の内閣不信任決議権について規定があり、これはきちんと法的効果が認められている責任追及の手法です。そのため、政治的責任を負うにすぎないとする66条3項と、法的な効力が認められる内閣不信任決議権を定めた69条をどう整合的に解釈するかが問題となります。

総評

問題文が非常に短いため、時間を目一杯使って考えることができます。

第1問は実社会でも問題となっているテーマであるため、普段から時事に接し、憲法問題について思いを馳せているかどうかで論述の質に差が出てくると思われます。

血の通っていない、論証の貼り付けのような答案より、“一生懸命考え抜きました”という答案がより求められているものであるといえましょう。

第2問は統治分野からの出題ということで、準備不足の受験生も多いかと思いますが、パッと見で分からなそうだと感じても、落ち着いて知っている知識から徐々に外堀を埋めていくように食らいついていけば、意外とそれなりの答案が書けることもあります。統治のように皆が手薄な分野は、勇気をもって食らいついた人に点数が来ます。諦めずに最後まで考え抜いてください。

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