平成27年度京都大学法科大学院入試、商法のポイント解説

平成27年度商法_京都のサムネ画像です

形式

京大ローの商法は、一科目で120分の解答時間が与えられています。

問題数はそれぞれ事案の異なる大問が2、その中で小問が2ずつとなっています。

事案自体は短いものであり、複雑なものでもありません。ただ、第2問は手形分野からの出題であるため、手形が手薄な人にとっては第1問でいかに時間をしっかりつかって得点を伸ばせたかというところが重要であったといえるでしょう。

解答の大枠

第1問について

問1は、株主総会決議を欠く有利発行の効力を争う手段を問うものです。判例が既にあるところなので、丁寧に確実に点をとりたいところです。

問2は、上記有利発行を決定した取締役のP社に対する責任およびXに対する責任について問うものです。基本的な請求の根拠条文からしっかり摘示し、論じていくことになります。

第2問について

問1は手形を盗取した者に対する支払いの効力を検討するものです。除権決定によりCが権利者といえるのか、支払をしたAが保護されるかどうかをそれぞれ検討します。

問2は、Cから手形を転得したDがCまたはBに遡及できるかを問うものです。盗取されたBと盗取したCとの違いに着目してそれぞれ検討することになるかと思われます。

論点

第1問について

問1の有利発行の効力を争う手段は、新株発行無効の訴えですが、例え株主総会決議を欠く有利発行であっても取引の安全の観点から原則として無効事由にならないというのが判例・通説です。もっとも、株主への公告・通知を欠く場合であり、かつ差止事由が存在していた場合には無効事由となり得るため、この点についてまできちんと言及すれば大丈夫でしょう。

問2の有利発行にかかる取締役の責任については任務懈怠責任(423条)であるとして株主が株主代表訴訟で追及することのほか、株主が429条に基づき取締役に対して責任追及をするという手段もありえます。どちらも取締役の責任ではありますが、会社と株主のどちらの損害填補を主眼とするのかによって両者で違いが出てきます。

また、両請求ともに認められてしまうと取締役が二重に責任を負ってしまうことになるため、両請求の関係についても言及すべきでしょう。

第2問について

まず問1では、除権決定によ、公示催告手続にかかる手形は無効となるため、盗取したCの手形は無効であり、当然支払いを請求する権利も認められません。それにもかかわらずAはCに大して支払いをしてしまっているため、この支払いの効力が問題となります。具体的には77条1項3号が準用する40条3項を検討することになるでしょう。

問2では、善意取得者であるDがBまたはCに対して遡及することができるかということが問題となりますが。B→Cの裏書は偽造されたものであるため遡及は認められないと考えられる一方、C→Dの裏書は7条から遡及が認められるのではないかと思われます。

総評

時間には比較的余裕があると思われるため、基本的な論点をきちんと全て書ききれているかどうかが勝負の分かれ目です。特に第2問は皆が手薄な手形からの出題であるため、諦めずにしっかり自分の分かることを丁寧に示していればその分得点は来るはずです。

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