平成27年度京都大学法科大学院入試、民法のポイント解説

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形式

第1問と第2問とで、それぞれ別の事例での出題であるため、2題分が出題されています。そして、小問が各々2問ずつの構成です。小問はそれぞれ関連した事項の出題であり、比較しながら解答させるものといえます。

解答の大枠

第1問について

小問1は、所有権に基づく土地明渡請求、小問2は、所有権に基づく動産引渡請求であるといえそうです。それぞれ、要件事実を検討していくことになると思われます。

第2問について

小問1は、AがBに対する甲家屋の引渡し、移転登記を拒む構成として、解除や危険負担を検討することなると思われます。小問2は、滅失した家屋の代わりに、損害保険金相当額として、債務不履行責任や危険負担を検討することができるといえそうです。

論点

第1問について

所有権に基づく土地明渡しも、動産引渡も、Dの所有と、相手方であるCの占有が請求原因事実であるといってよいと思われます。小問1では、一旦Bに移転した所有権が、Aの取消しの意思表示によりBに移転していないことになる一方、BからCへ所有権が移転していると構成されます。

すると、Bを起点として二重譲渡類似の構成が可能といえるでしょう。二重譲渡では、登記の先後で優劣が決定することを示せば良さそうです。そして、Aから権利を承継したDの主張が、占有者Cに優先するということができると思われます。

小問2では、引渡対象物が動産になりますが、動産では対抗要件が占有であること、明認方法は伐採するまでに備えなければいけないことを論じることができそうです。するとCが善意無過失であれば、即時取得により伐木の所有権を取得できるため、Dの主張は通らないことになります。

第2問について

小問1では、甲の明渡しを拒む構成です。Bに帰責事由があれば、履行不能による解除を主張できるでしょう。帰責事由がなければ、危険負担の処理へ続くといえそうです。ここで、家屋は特定物といえそうですが、534条を適用するのか、登記、引き渡し以降まで適用されないとするかで結論は分かれることになるでしょう。536条1項によれば、反対債務は消滅します。

小問2では、金銭の請求です。Bに帰責事由があれば、債務不履行による損害賠償が可能です。また、Bに帰責事由がなければ、危険負担により反対債務も消滅するため、そもそも金銭の請求は不可能と構成することもできるかもしれません。

総評

本問は、2問の出題であり、検討する事項も多くあるため、時間制限の中で適切に処理するためには、民法や要件事実の基礎をしっかり身に着けている必要があるといえるでしょう。本問で問われている内容は、基礎的な事項であるといえそうです。

とはいえ、問題状況を素直にとらえ、条文を適用し処理する力が必要であるため、問題演習として取り組めば、実力を伸ばすことができる問題であるといってよいかと思われます。

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