平成26年度京都大学法科大学院入試、民法のポイント解説

平成26年度民法_京都のサムネ画像です

形式

民法と民事訴訟法の2つを3時間の中で書くという形式になっています。

問題形式としては、民法は事例の異なる大問が2つ、そしてそれぞれの大問に小問が2~3問ついているという形になっています。

小問が計5問あるということになるため、1問あたりにかけられる時間は18分だけです。しかしそれぞれ事例はいずれも短く、問題も簡潔であるため、サクサクと詰まらずに処理していけば十分時間は足りるかと思われます。

解答の大枠

第1問について

小問(1)は、Aが「Cの代理人として」契約をしているため、無権代理が問題となります。そのため、Bが持分を取得できるか否かは、無権代理後の相続により追認ができるかどうかで決まることになるでしょう。

小問(2)は、「自ら売主として」契約を締結しているため、無権代理ではなく、他人物売買が問題となります。小問(1)との違いを意識して論述できると良いでしょう。

第2問について

XがCから甲土地の賃借権の譲渡を受けたところ、甲土地の敷地内の擁壁乙に瑕疵があったという事例です。

このような場合において、賃貸人A・賃借権譲渡人C・乙を設置した業者Bに対する請求をそれぞれ検討することになります。

論点

第1問について

小問(1)は無権代理であるため、まず契約の効果がCに帰属しないという原則をきちんと指摘しましょう。また、表見代理の成否を検討しても良いかと思います。

Cは無権代理行為の後死亡しているため、本人Cを無権代理人Aが相続したケースとなります。もう一人の相続人Dの存在を考慮しつつ、追認拒絶ができるかという典型論点を検討すれば大丈夫です。

小問(2)は、無権代理ではなく他人物売買です。したがってまず、無権代理の場合と異なり、AB間で契約が有効に成立していることをきちんと指摘しましょう。

他人物売買において真の権利者が追認した場合には、116条が類推適用されるという判例がありますが、他人物売主が真の権利者を相続した場合でも無権代理の場合と同様の結論としてもいいのか、両者の違いを踏まえて記述すべきでしょう(両者とも同様の事象であるため、結論を異にすべきでない、という結論もありうるところです)。

第2問について

問1は、賃借人Xから賃貸人Aに対する補修工事の請求が民法上いかなる権利に基づくのかを摘示すれば足ります。

ここでは、606条1項を指摘し、要件を検討すれば大丈夫でしょう。

問2は、XがCに対して570条に基づく瑕疵担保請求をすることができるか検討しなければいけません。ここは判例(最判平成3年4月2日)があるところなので、判例に沿って淡々と処理すべきでしょう。

問3は、乙の瑕疵の原因となった業者Bに対する709条の成否を検討する問題です。

BはAと契約していたのであって、Xと契約していたわけではありません。そのため、このように契約関係にない者に対しても709条責任が発生するのかどうかを、最判平成19年7月6日等を手掛かりに検討すれば良いかと思われます。

総評

問題の数が多いため、とにかく手早く、あまり悩み過ぎずサクサク処理することが求められています。

いずれも基本的な知識・判例を問うものですから、問題を見てすぐ反射的に答案構成ができるようになっていれば、それほど怖いものではありません。

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