平成26年度京都大学法科大学院入試、民事訴訟法のポイント解説

平成26年度民事訴訟法_京都のサムネ画像です

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「A沼を守る会」(A会)という団体が提起する2つの訴訟について、訴えの適法性を検討させる問題です。特に問題文に解答の方向性についての誘導はありません。本問はそれほど複雑な事例というわけでもないため、基本的な論点を正確に処理することが求められる問題といえそうです。

解答の大枠

①の訴訟について

まず、訴訟を提起しているのがA会という団体であることに着目する必要があるといえます。この団体の性格を論じた上、訴訟の当事者となるといえるのかを検討することになるでしょう。

次に、所有権確認の訴えという訴訟形態が適切であるのかを検討することになりそうです。

②の訴訟について

A会が所有権移転登記を求めるような訴訟が認められるのかを検討することになります。

論点

①の訴訟について

A会は法人格を有しないため、このままで訴訟の当事者能力が認められるのかを検討することになるでしょう。そして権利能力なき社団といえるのかを検討に続きます。自身の判断基準について判例を参考にしながら示し、(1)から(4)までの事情に当てはめて認定し、民事訴訟法29条で当事者能力を有することを認定することになりそうです。

そして、売買契約の相手方に土地明渡請求という給付訴訟でなく、所有権確認の訴えという形態に訴えの利益があるといえるのかの検討が必要になるといえるでしょう。判断基準として、特に確認訴訟という方法選択の適否が問題となりそうであるため、ここを中心に論じることになるでしょう。

②の訴訟について

A会は法人格がないため、登記名義を有する資格があるといえるのかを検討する必要があります。論述にあたっては、権利能力なき社団が権利主体となることができないということなど、丁寧に論述することが求められるでしょう。

問は、訴えの適法性が聞かれていますが、A会が登記名義を有することができないとした場合、代表者個人名義での登記をすることになるということにも触れたほうがいいかもしれません。なぜなら多くの受験生が触れることが予想されますし、結論の理由づけとしてより説得的に記述できると思われるからです。

総評

本問は、シンプルな問題文であり、問われていることも基本的な内容です。そのため、受験生は一通りのことは書いてくると思われます。こういった基本的な事項が問われたときは、基本から、問題を記載する実益なども踏まえて丁寧に論じることが良い評価を得ることにつながるのではないかと思われます。

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