平成27年度京都大学法科大学院入試、行政法のポイント解説

平成27年度行政法_京都のサムネ画像です

形式

試験時間は行政法と合わせて3時間であるため、単純に割れば憲法と行政法それぞれで90分ずつということになりますが、憲法の配点が行政法の2倍であることを考えると、憲法にかける時間を多くするという戦略も考えられます。

設問は、事例一つに設問が2つ付いており、廃掃法と要項が資料として与えられています。事例と設問だけなら1頁にすぎないのですが、これに加えて廃掃法と要綱が4頁に渡って資料として与えられています。

解答の大枠

問1について

問1は原告適格と「重大な損害を生ずるおそれ」の要件の充足性を検討させる問題でした。本件は廃掃法14条の6、同法14条の3の2に基づく許可の取消しを求めていることから、非申請型義務付け訴訟を提起することになります。X1とX2の差異に着目しつつ、検討しましょう。

問2について

問2は国家賠償請求の可否を検討する問題です、規制権限不行使が違法であるかどうか等、要件をそれぞれ丁寧に検討していくことになります。

論点

問1について

まずは原告適格です。37条の2第3項、同4項を指摘したうえで小田急判決の規範に沿って検討することになりますが、検討にあたっては、廃掃法の趣旨・目的は何か、具体的利益として保護されるのはどの範囲の住民なのか(生活環境影響調査の対象地域で区切るか、それより広く意見書提出が可能な地域も含めるか)ということについて考えれば良いでしょう。意見書の提出を定めているのが要綱(行政規則)に過ぎないというところもポイントになります。

次に「重大な損害を生ずるおそれ」があるかどうかです。重大な損害の要件については、37条の2第2項で判断基準が示されているため、これをきちんと摘示したうえで事案を検討すれば良いでしょう。

問2について

国家賠償請求の可否を問われていますが、因果関係及び除斥期間については論じなくても良いとのことであるため、本問は専ら権限不行使が国賠法上“違法”であるかが問題となります。

規制権限不行使が“違法”の評価を受けるかどうかについては、「その権限を定めた法令の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、具体的事情の下において、その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められる」か否かで判断するのが判例です。

X1、X2が悪性中皮腫という甚大な被害を被っていること、高濃度な石綿が飛散していることはAの操業開始1年後の時点で既に明らかであったことなどの事情を使って書きあげましょう。

総評

本年度の問題は原告適格、規制権限不行使の国家賠償請求という、いずれもメジャーな論点でした。行政法は苦手な方が多いせいか、基本中の基本が書ければ十分点数が来る傾向にあります。

そのため、基本となる判例の規範を摘示し、自分なりに一生懸命考えてあてはめをしていけば合格水準に乗ると思われます。

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