平成27年度神戸大学法科大学院入試、刑法のポイント解説

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形式

第1問では、問1で自殺関与罪、殺人罪との区別、実行行為の概念を問う問題といえます。また、問2では、窃盗と横領の区別について、占有概念を問う問題であるといえます。

解答の大枠

第1問について

問1では、被害者を利用した殺人と評価できる具体例を1つ挙げることになります。その事例が自殺関与罪といかなる点で区別されることになるのか、検討することになると思われます。

問2では、窃盗財と横領罪とで、占有概念はどのように違うのかを示すことになると思われます。銀行預金を例にとされているので、銀行預金の占有について記載していくことになるでしょう。

第2問について

XとYが、詐欺により財産を得ようとしたところ、一方が恐喝を行った場合の両者の罪責を検討するものです。さらには他人の自動車を乗り逃げしようとした点、立ちふさがった所有者に車を当てようとした点についての検討も必要でしょう。

論点

第1問について

問1では、具体例として、心中を偽装して相手方を殺害した事例を挙げることができると思います。ここで「人を殺した」(199条)行為と評価できるのかが問題になると考えられます。被害者の死の決意が真意に添わない重大な瑕疵ある意思であった場合には、被害者を利用した殺人と評価できると構成することができると考えられます。

問2では、窃盗財の占有は他人の占有を奪取するという、物に対する支配の排他性が重要となるのに対し、横領罪の占有は、容易に他人のものを処分しうる状態にあるという、濫用のおそれのある支配力が重要となると考えられます。この理解を前提に、銀行預金の占有がどういう占有なのかを検討することになると思われます。

第2問について

XとYが、スーパーマーケットに刺身が腐っているとクレームをつけて見舞金を得ようと企てたことは、詐欺の共謀といえます。しかし、スーパーマーケットでは、同様の手口には対応せず見舞金を支払わないとの方針を決めていたことから、詐欺は未遂になっています。ここで不能犯の検討をしてもよさそうです。

その後、Xだけが誠意を見せろ、と恐喝行為を行っている点について、Yについても共謀共同正犯が成立するのかの検討も必要でしょう。

そして、車を乗り逃げしようとした点は、Yに窃盗罪が成立すると考えられます。不法領得の意思にも言及するといいかもしれません。

さらに立ちふさがったCに車を当てようとした点は、窃盗が取返しを防ぐために行っているので、事後強盗が成立すると考えられます。事後強盗の点は、Xに承継的共同正犯が成立するのか、または、Cに車を当てようとした点のみ帰責されるのか、自説を示しながら検討することが必要と思われます。そして、共同正犯がどの範囲で成立することになるのか、示すことも必要でしょう。

総評

第1問では、抽象的な設問について、基礎的理解を文章に表すことが重要と思われます。このとき、文章の羅列にならないように、自分なりに項目をたててまとめて記述することも文章力を示すことにつながるでしょう。

第2問では、事例問題について、XとYの行為について、1つ1つ構成要件にあてはめて検討することで、犯罪が成立するのに必要な検討をしているのか、その姿勢を見ることができる問題であるといえるでしょう。

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