平成26年度神戸大学法科大学院入試、刑法のポイント解説

神戸_26年_刑法のサムネ画像です

形式

第1問は、3つの小問に分かれた総論の分野からの抽象的な問題について、論理的にまとめるものです。

第2問では、事例問題でX、Yの罪責を検討することになります。

解答の大枠

第1問について

小問1では、抽象的事実の錯誤について、教科書でみるような事例を何か1つ設定する必要があります。条文の文言も合わせて解釈する必要があるでしょう。

小問2では、共犯からの離脱と中止の判例の理解を解答に示すことが説得的と思われます。

小問3では、いわゆる熊打ち事件について、故意犯と過失犯の関係を示す必要がありそうです。

第2問について

Xの借用証書を持ち出した点、シュレッダーにかけた点、重ねて抵当権を設定した点につき、構成要件を1つずつ検討していく必要があります。

Yについては、コピーの金額を変更した点を検討しましょう。

論点

第1問について

小問1では、自ら事例を設定し、「罪を犯す意思」(38条1項)があったのかを検討することになると思われます。重なり合う範囲で故意が認められることを論じましょう。

小問2では、共犯関係からの離脱を検討し、離脱が認められた後に中止を検討することを示すのが良いと思われます。

小問3では、故意犯と過失犯2つが成立することはないように思われる事例にて、過失行為の後に自らの故意行為が続けて行われた場合に、併合罪とすべき理由を示しながら検討すれば良いでしょう。

第2問について

Xが借用証書を持ち出した点は、借用証書が財物に当たることを前提に、折りたたんでポケットに入れた時点で既遂となるのか、既遂時点を示すことも必要と思われます。また、その後シュレッダーにかけた点は不可罰的事後行為になることに触れれば加点されるでしょう。

抵当権設定済みの土地について、二重に抵当権を設定することは第1の抵当権者に対する背任罪になりうることを、構成要件を丁寧に検討することであてはめていけばよいでしょう。

Yについては、借用証書のコピーの文書性を検討した上、金額欄の変更が偽造になることを示す必要がありそうです。そして、その行使は詐欺罪を構成するのかも触れるのがよいと思われます。

総評

第1問では、総論分野を広く抽象的に聞き、刑法の学問的知識を問うています。第2問では、事例問題について、1つ1つの行為を構成要件にあてはめて検討する各論の知識が問われています。

2つの問題を通して、総論、各論から広く問われた問題であり、幅広く検討していた人であれば、対応できた問題といってよさそうです。

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