平成27年度神戸大学法科大学院入試、刑事訴訟法のポイント解説

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形式

捜索差押許可状による差押え、およびそのための必要な処分が適法かを、事例に即して検討する形式です。①、②のそれぞれの行為につき論証することになります。

解答の大枠

①について

場所を捜索場所とする捜索差押許可状により、その場所にあった物を捜索することができるのかを検討することになります。検討すべき事項としては、捜索差押許可状が発付されたときに、裁判官はどの範囲までの捜索を前提としていたかという点であると考えられます。

②について

捜索場所として、許可状に記載された場所以外で、持ち出された箱の中身をあらためることができるのかを検討することになると思われます。これも捜索差押許可状の効力はどこまであるのかの問題となりそうです。

また、中身をあらためる行為が捜索そのものであると考えるかも検討できる項目でしょう。

論点

①について

場所を捜索場所として捜索差押許可状が発付された場合、その場所にある物であり、差し押さえるべき物に挙がっていないものを捜索対象とすることができるのかが問題となりえます。裁判官としては、捜索場所の管理権の侵害を考慮して許可状を発付しているので、その場所にある物に対しての捜索は当然に予定されているものと考えられます。

また、その場所にある物に対し、捜索をしたとしても新たな管理権の侵害もないため、別の令状は不要であると思われます。

②について

もともとは捜索場所にあった箱が、持ち出された場合に、持ち出された先で中身をあらためることは許されるかが問題となります。

これを「必要な処分」(222条1項、111条1項)に含まれるかという点で検討することでも良いでしょう。捜索場所にもともとあったのに、持ち出されてしまえば一切中身をあらためることもできないとなると、捜索の必要性を大きく害してしまうため、必要な処分に含まれると考えるべきでしょう。

また、中身をあらためる行為が、捜索そのものであると考えるならば、もともと捜索場所にあった物について、持ち出されたとしても、本問では、持ち出し直後から追跡しているのであるから、捜索場所に含まれると考えてもよさそうです。

総評

捜索差押許可状について、基本的なところから考えることができるかを問う問題であるといえます。捜索差押許可状が発付された趣旨からさかのぼって考えることができれば、より説得的な論証になると思われます。

本問は、検討すべき項目がそれほど多いとはいえないため、論証は丁寧に記載する必要があると思われます。日ごろから判例の射程がどこまで及ぶのかを検討する学習をしていれば、②のような問題にも対応しやすかったのではないかと思われます。

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