平成26年度神戸大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

神戸_26年_憲法のサムネ画像です

形式

2つの事例について、それぞれ憲法判断を求める形式です。問題文に二重下線で強調されているように、判例がある場合には、判例に言及するように、との指示があります。たとえ指示がなくても、関連する判例を意識した答案構成はすべきと思われますが、特に指示あるため、必ず判例への言及が必要になっています。

解答の大枠

①について

団体Cへ展示場の使用許可を与えたところ、反対する者による妨害活動がなされるようになったため、市長が一度与えた使用許可を取り消す方針を固めたことについて、憲法的観点から法的妥当性を論じるものです。

団体Cの表現の自由が、展示場使用許可の取消により侵害されるおそれがあることを示す必要はあるでしょう。そして、泉佐野市民会館事件などに触れ、どのような場合に使用許可を取り消すことができるのか、自らの判断枠組みを示すことが必要であると思われます。

②について

出席停止の懲罰動議の取消しを求める訴訟については、司法審査の対象になるのかを検討することになると思われます。判例としては、村議会出席停止事件を参考に検討することになるでしょう。

論点

①について

団体Cの展示場での展示活動は表現の自由で保障される行為と認定してよいでしょう。そして、反対する者が過激な妨害活動をしている場合に、そのことを理由に一度与えた使用許可を取り消すことは表現の自由の侵害になる場合があることを論証することになると思われます。その際、泉佐野市民会館事件や上尾市福祉会館事件などに触れつつ検討することが必要です。

また、展示場はパブリックフォーラムとしての性質を有すると考えられるため、より表現の自由に配慮した検討が必要とされるでしょう。判例と違う結論をとる場合にも、理由をきちんと示すことができればよいと考えられます。

②について

出席停止の懲罰動議の取消しを求める訴訟は司法審査の対象になるのかを検討することになると思われます。判例へ言及しつつ、部分社会の問題について司法審査が及ぶのか、その規範を立て結論づける必要がありそうです。

また、委員会への付託を省略したという手続規定違反がどのような場合に問題になるのかについて記載するのも説得的な解答につながると思われます。

総評

2つの事例を通じて、①では人権の問題、②では統治の問題と、憲法の問題を幅広く問われます。人権の問題では、判例への言及が必須の指定になっているところから、決まりきったパターンの論証では評価されないでしょう。

そして、統治分野についても出題されていることから、統治分野についても、基本書や判例集の学習が欠かせないことを認識させられる問題であるといえるでしょう。

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