平成27年度神戸大学法科大学院入試、民法のポイント解説

神戸_27年_民法のサムネ画像です

形式

第1問では、建物の売買契約締結後、建物が火災により滅失した事例について、検討するものです。答案の指示としては、落雷による場合と、債務者の帰責事由がある場合とに分けて論じることとされています。

第2問では、建物の修繕に関係して、賃貸人が修繕に応じないため、賃借人が賃料を払わないため契約を解除された事例と、賃借人が立て替えた修繕費用を賃貸人が支払わない場合に、契約終了後明渡を拒むという事例の2つを検討することになります。

解答の大枠

第1問について

Aの請求として、建物の引渡請求が建物滅失により履行不能になった場合に、反対債務である代金債務の命運を論じることができるでしょう。場合分けを指示通りに記載するよう気を付けることが必要です。

第2問について

(1)では、賃借している建物の天井の修理を賃貸人がしないため、賃料の支払いを拒んだところ契約を解除されたという事例です。このような事情が契約の解除事由となるのかを検討することになると考えられます。

(2)では、賃貸期間中に支出した修繕費用につき、支払いを受けるまで明渡を拒むことができるのかを検討することになりそうです。

論点

第1問について

取引の対象が中古の建物であるため、特定物の取引です。そして建物引渡債務が落雷により履行不能になった場合は、債務者に帰責事由がない事例といえそうです。

その場合、危険負担の取り扱いが問題となります。特定物売買について、534条と536条のどちらを適用するのかを論じることになりそうです。そして、債務者の帰責事由がある場合には、債務不履行となり、契約の解除や損害賠償ができることになると思われます。

第2問について

(1)では、賃借人は、建物の天井修繕をしてもらえない場合に、賃料の支払いを拒むことができるのかも問題となり得ます。もし不払いを正当化する事由にならないのであれば、賃料未払いの状態になるので賃貸借契約の解除は認められることになると考えることもできそうです。

(2)では、賃借人が自ら天井を修繕した費用は、生活に必要な費用として必要費といえるでしょう。賃貸借期間経過前に必要費を支出した場合、契約終了後も必要費について留置権を主張することができるかが問題となりえます。これが認められるならば、賃借人の建物を修繕費用支払いまで建物を明け渡さないとの主張は認められることになりそうです。

総評

第1問では、危険負担や債務不履行の取り扱いについて、当事者の主張をまとめながら展開することが求められていたといえるでしょう。

第2問では、修繕費用に関連して契約の解除事由や、留置権の理解が問われ、条文を駆使して当事者の主張をまとめることができるかが問われたものといえるでしょう。問題全体を通じて、条文を適切に指摘しながら、当事者間の主張に対して妥当な結論を出せたかが重要であったといえると思われます。

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