平成26年度神戸大学法科大学院入試、民法のポイント解説

神戸_26年_民法のサムネ画像です

形式

第1問では、交通事故により後遺症の症状が固定した事例について加害者に損害賠償請求をする場合に、その後他の原因により死亡した場合に逸失利益の算定はどうなるかを問うものといえます。

第2問では、3つの小問についてそれぞれ、第三者が現れた場合に、その法律関係をどう考えるかを問う問題です。

解答の大枠

第1問

不法行為に基づく損害賠償請求において、労働能力の一部喪失による逸失利益の請求をする場合に、その算定方法を示すことが必要と思われます。そして、自らの見解によると原告であるXの請求が認められるかと論証することになるでしょう。

第2問

小問1では、無権代理人の法律行為に対し、本人が何の意思表示もしなかった場合をどういう意味のものとして扱うかと示す必要がありそうです。

小問2では、法律行為の取消前後で、第三者がどう保護されるか条文を示しながら検討することが必要と思われます。

小問3では、背信的悪意者からの転得者の保護をどう考えるか、判例の理解も示しながら論証することが重要でしょう。

論点

第1問

問題文の事情から、YによるAへの不法行為は明らかであると思われます。そのため不法行為に基づく逸失利益の損害賠償請求をする場合に、被害者が別の原因で死亡したら、死亡後の逸失利益分も請求することができるのか、それとも死亡によりその後の損害賠償請求はできないとすべきなのか、判例の見解を参考にしながら、自らの見解を理由とともに示すことが重要と思われます。

第2問

小問1では、無権代理人の法律行為に対して、本人が追認も追認拒絶もしないで死亡し、無権代理人が他の相続人とともに共同相続した場合、無権代理人は追認拒絶をすることができるのかを検討することになると思われます。相続人の追認権は他の相続人とともにしなければ無権代理人の相続分についても追認の効果は発生しないとの判例への言及も必要ではないでしょうか。

小問2では、詐欺や強迫について、取消前後で第三者がどう扱われるか、条文や判例、学説への言及もしながら、場合を分けて検討することで適切な解答になると思われます。

小問3では、背信的悪意者が二重譲渡を受けた一方当事者に対して、保護されない理由を示すことも説得的な論証として有用と思われます。そして、その転得者は自らが背信的悪意者でなければ保護されることを、前記理由づけから丁寧に説明すればよいのではないでしょうか。

総評

第1問では、事例問題から当事者の主張を考えさせ、第2問では、抽象的な問題について判例や学説についての理解を考えさせるものといえそうです。2問分を通じて、総論から不法行為まで幅広く問うものであるため、日ごろから、基本書、判例集を広く学習していれば、解答することができる問題であったといえるでしょう。

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