平成27年度神戸大学法科大学院入試、民事訴訟法のポイント解説

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AがBに貸金債権を有している事案において、民事訴訟で返還を求めようとする場合、Cに訴訟を委任する方法を3つ問う問題です。

その際、①ではCが弁護士でないこと、②では任意的訴訟担当が原則ゆるされないこと、③では訴訟信託が禁止されていることが問題となりうるが、触れる必要がない、加点しないといしていることから、これらについて触れないようにしなければなりません。

解答の大枠

①については、Cは、簡易裁判所での訴訟であれば、許可を得て代理人となることができる。地裁であればCはどのように訴訟に関与していくのかを検討することになりそうです。

②については、任意的訴訟担当は、本人の利益が害される恐れがあるため、原則として禁止されていることを示す必要があるでしょう。しかし、例外もありうることを要件とともに論述すればよいかと思われます。

③については、訴訟信託については禁止されています。もっとも信託法10条については触れる必要がないとのことであるので、触れないよう気を付けるべきでしょう。

論点

①について

簡易裁判所での訴訟であれば、原告となるのは委任を受けた者であること、原告となるのは委任をした本人ということになると思われます。既判力は、委任をした本人に生じることになるといえそうです。

②について

任意的訴訟担当は、本人の利益が害されるおそれがあるため原則として認められないと考えられます。ただし、本人の利益が害されるおそれがない場合にまで、例外を認めないのも本人の利益をかえって害してしまうと考えられます。

そこで、訴訟担当が認められれば、原告となるのは、訴訟担当者、原告適格は管理処分権が認められる訴訟担当者に認められることになると思われます。既判力は、本人が受けることになると考えることができるでしょう。

③について

訴訟行為をさせることを主たる目的として信託する、訴訟信託はすることができないとされています。もっとも、この場合も主たる目的が訴訟行為をさせることにない場合には、信託することは可能です。

もし、信託が許されないということであれば、原告となるのは、本人ということになるでしょう。そして、原告適格は本人が訴訟をするということであれば、原告適格も本人がそのまま得るということになるのかもしれません。また、既判力も本人に生じるという解釈が成り立つと考えることもできるかもしれません。

総評

本問は①から③まで、権利主体自らの意思により、訴訟行為を他人に任せようとするもので共通しています。訴訟を他人に任せるという点では同じであっても、細かな違いが生じるところがあります。

そのような違いを基本的知識から記載することができるかが問われる問題であったといえそうです。かなり細かいところまで基本から正確な理解が求められる問題であり、実力が試されるものといえるでしょう。

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