平成28年度神戸大学法科大学院入試、行政法のポイント解説

神戸_28年_行政法のサムネ画像です

形式

今年の神戸大学法科大学院入試の公法系は、例年通りの出題形式であり、第1問が憲法、第2問が行政法となっております。時間的な制約を考えると、完璧な答案を記述することはやや難しいかもしれませんが、問題の難易度は例年通りといえるでしょう。神大は大阪大学・京都大学や同志社大学・立命館大学を併願される方も多いかもしれませんが、行政法がある学校は多くはないので、個別の対策は怠ららないようにしてください。

解答の大枠

第1問について

第1問は、興行場法に基づく許可の要件の読み解きが問題となります。興行場法は見慣れない法律かもしれませんが、今後予備試験や司法試験を読み進めるにあたっては、見慣れない個別法規の読み解きが鍵となってきますので、そのための訓練としても有益でしょう。

また興行場法の構成としても、決して複雑なものではありませんので、添付されている条文にしっかりとあたって、許可要件を正確に読み解くことが求められます。

第2問について

行政手続上の問題点の指摘が求められています。行政法の学習の進んだ方であれば、行政手続法か行政手続条例かどちらを適用するかについて目配せがいくかと思いますが、今年の問題は親切にこの論点を記述することを注記してくれています。論点落としたかどうかではなく、各論点への理解度を測ろうとする入試に対するの姿勢が伺われます。

したがって、行政手続法または行政手続条例のどちらが適用されるかを明示した上で、申請書の不受理の問題について論述していくことが求められています。

第3問について

行政代執行法によりこれらの命令の履行を確保することができるかが問われています。

受験生の中には行政上の執行に関して勉強が追いついていない方もいらっしゃるかもしれませんが、履行ができて初めて行政の目的が実現されるのであり、実務上も執行は極めて大切な要素でありますので、範囲をしっかりと学習していってください。

論点

第1問について

問題文で、「本件条例が委任条例と自主条例のいずれかに当たるかを示した上で」と要求されていることからわかるように、委任条例・自主条例の意義を把握していることがまず求められます。その上で、自主条例で要求される同意がそこには含まれないことを論証していくことが求められます。

興行場法にしっかりとあたり、処分行政庁は、許可をするかどうかの判断をする際には、自主条例で要求されてる同意の有無を考慮してはならないことが読み解けるかどうかがポイントとなります。

第2問について

行政手続法と条例の適用関係についての有名な論点を記述した上で、不受理の問題を論述していくこととなります。不受理の点については、判例の文言などにも意識しながら論述を進めていくことが求められます。

第3問について

行政代執行法は条文数自体が少なく、論点自体も極めて少なくなってます。建築中止命令と除去命令の違いに注意しながら、基本的論点について論述していくことが求められています。

総評

全体としてみれば、問1はやや現場思考的な問題であるのに対し、問2・問3では行政法での主要論点についての論述が求められています。制限時間を加味すれば、それぞれの論点について大展開するのではなく、コンパクトな規範を書いた上で、問題文の事情を拾っていくというスタイルになります。

レベル感としても行政法の演習問題として極めて良問ということができますので、ぜひ一度問題にあたってみてください。

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