平成27年度神戸大学法科大学院入試、行政法のポイント解説

神戸_27年_行政法のサムネ画像です

形式

(1)では、参照条例について、自主条例か委任条例かを検討させるものです。(2)では、挙げられた条文を読み取り、その仕組みから解答を推測して記載するものです。(3)では、問題文処分が行政処分であることを前提に、手続面で違法になる可能性を検討するものです。

解答の大枠

(1)について

自主条例と委任条例の定義を示した上、参照条文として挙げられている屋外広告物法とC県屋外広告物条例の文言や規定内容などから、どちらにあてはまるかを検討することになるでしょう。

(2)について

aやcの発言が、どの条文を根拠にしたものであるのかを、条文を指摘しながら解答することが必要であると思われます。問題文の指示から、条文の項や号も指摘することが必要とされているので、仕組み解釈ができていることが重要と考えられます。bの発言は、法と条例の条文をよく読み、仕組みを指摘しながら解答することが必要でしょう。

(3)について

条例が自主条例であれば、行政手続条例が適用になり、条例が委任条例であれば、処分の根拠が法にあることになるといえるため、行政手続法が適用になるといえそうです。

論点

(1)について

自主条例が地方公共団体独自に制定したもの、委任条例が法に根拠を置く委任されたものと考えた場合、法が様々な規定を条例で定めることができるとしている文言から、条例は委任条例であると考えることもできそうです。また、あくまで条例は法令に適合しているが独自に規定したものと考えれば自主条例であるととらえることもできるかもしれません。

(2)について

aの発言については、法4条により、条例9条では、禁止区域以外では、広告物につき知事の許可が必要とされています。この条文が根拠として挙げられそうです。

次にcの発言については、法5条により、条例16条では、広告物が基準に適合していなければならないとしています。すると、この基準には、場所、位置、形状などについて規定がされているものと考えられます。この許可基準は、法に委任されたものではなく、行政規則であるととらえることもできそうです。ここで、行政の裁量を問題としてもよいかもしれません。

そして、bの発言については、条例6条では禁止区域に広告物を設置してはならないとしています。もし旧看板が設置されていた地域が禁止区域にあれば、そもそも設置できなかったことになりそうです。禁止区域になかったのならば、条例9条により、知事の許可が必要であったことになるといえると考えることもできるでしょう。

(3)について

条例が自主条例か委任条例かを、(1)で解答した内容と整合的に解答する必要があるでしょう。条例の適用ができるのか、行政手続法の適用ができるのかと関連させて、手続面の違法の見込みを論証することになると思われます。

総評

全体を通して、挙げられた法と条例の関係について、仕組み解釈が求められているものと考えられます。そして、小問と小問の関係として、矛盾のないように解答し、行政法全体の理解を示すことが必要な問題であったと思われます。本問は、日ごろの問題演習を通して、条文の仕組みを読み解く練習をしていたかによって、差がついた問題であったと思われます。

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