平成27年度慶應義塾大学法科大学院入試、刑法のポイント解説

27年_慶應_刑法のサムネ画像です

形式

出題形式は、短い事例一つの中でXY2人の罪責を検討するというものでした。問われているのがXYの2人のみであり、複雑な共犯関係を検討するものでもないため、余り悩み過ぎず40分という短い時間の中で淡々と漏れなく論点に触れていけば良いかと思われます。

本問の特徴として、設問冒頭に「逮捕・監禁罪と強姦未遂罪の成否については検討しなくてよい」と記載してあるため、この指示をきちんと頭に入れたうえで答案作成にとりかかる必要があります。これを読み飛ばして逮捕・監禁・強姦罪を検討すると時間切れとなるため注意しましょう。

解答の大枠

まずXYがAに対して激しい暴行を加えたことについて、暴行罪あるいは傷害罪の成否を検討することになります。

それから、Aが動かなくなった後にXYが話し合って財布を抜き取った行為について、窃盗罪や占有離脱物横領罪の成否等が問題となります。

その後、YがXに内緒でAの元に戻り、Aからネックレスを手渡されたことについて、如何なる罪が成立するか問題となります。さらに、この行為についてXも何らかの罪責を負うのかということについても問題となり得ます。

論点

まず、Aの財布を抜き取った行為については、XYは共にAが死亡してたものと認識していたことから、主観的には占有離脱物横領罪の故意しかなく、抽象的事実の錯誤が問題となり得ます。また、そもそも死者から物を盗った場合に窃盗罪が成立するのかという、死者の占有の論点も検討する必要があるでしょう。

YがAからネックレスを手渡されたことについては、Yが犯行抑圧を継続させる程度の脅迫をしたと認定できれば強盗罪を論じることもできますし、そうでなければ恐喝罪を検討することもあり得るでしょう。

また、ネックレスを取得した行為については、Xは認識していなかったため、Xも共同正犯として責任を負うかということも問題となり得ます。

総評

死者の占有・抽象的事実の錯誤・共同正犯・既に犯行抑圧状態にある者に対する強盗など、論点はどれもメジャーなものであり、受験生としても解答のしやすい題材でした。しかし、みんなが書ける論点であるからこそ、厳しい制限時間の中で出来る限り漏れなく論点に言及できたかどうかで差がついたのではないかと思われます。

本番の緊張状態でも淡々とミスのない答案を書けるよう、普段から訓練しておくことが肝要でしょう。

あなたもレビューしませんか?

※先に「継続力」を理解する事が重要です。

難関な試験に合格する為には独学力を鍛えなくてはなりません。

司法試験の独学力.comでは、独学力を構成する「効率力」と「継続力」。特に独学で司法試験に合格する為の必須条件である「継続力」について解説しモチベーション向上を図ります。