平成26年度慶應義塾大学法科大学院入試、刑法のポイント解説

26年_慶應_刑法のサムネ画像です

形式

問題文は、用紙1枚におさまっています。5つの段落からなる問題文であり、登場人物は、甲とAの2人のみです。

解答は、甲の罪責を論じるというものであり、甲に成立する犯罪を構成要件を意識しつつ、1つずつ検討することが求められています。

解答の大枠

甲の行為は大別して、新聞3部を売店から持ち去った行為と、それを目撃し追いかけてきたAに対し新聞を投げたことです。

新聞を売店から持ち去った行為は、店員がいないすきに行っているため、窃盗罪の成否を検討することになるでしょう。

新聞をA投げつけた行為については、窃盗を目撃し追いかけてきたAに対し行っているため、事後強盗か傷害罪の成否を検討すべきと思われます。

新聞をAに投げつけた結果、バランスを崩したAが線路上に転落し、電車に轢かれて即死しています。この点は、甲の行為と死亡結果との因果関係を検討することになりそうです。

論点

新聞を持ち去った行為は、店員が席を外していた時に行っていることから、単に窃盗罪を検討すればよいでしょう。争いのないところと思われますが、構成要件をきちんと条文から検討している姿勢を示すことが必要と思われます。

新聞をAに投げた行為が、事後強盗の”暴行”に当たるかの検討が必要と思われます。新聞を投げただけであるため、犯行を抑圧する程度、とは言えないかと思います。

そうであれば、単なる暴行と評価されます。その結果としてAは死亡しているため、傷害致死の検討に移ることになるでしょう。

甲は、新聞を投げたことでAを線路上に転落させているが、Aが電車に轢かれて即死した点にまで責任を負うのか、甲の行為とAの死との因果関係を検討すべきと思われます。その際、ホーム下に退避スペースがあったにもかかわらず、Aが隣の線路上にとっさに逃げたことを因果関係の議論の中でどう評価するのかについて、検討が必要でしょう。

総評

本問は、甲が、新聞を持ち去った行為と、Aに新聞を投げた行為と2つを検討するものです。問われている内容も単独犯であり、素直な問題であるといえます。ただ、シンプルな事案であるだけに、多くの受験生が一通りのことを書いてくると思われます。そこで、構成要件や因果関係を、どこまで丁寧に検討できるかで差がつきそうな問題と考えられます。

勉強素材としては、素直な問題であるため、基本から考える練習として利用するのにふさわしいと思われます。

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