平成27年度慶應義塾大学法科大学院入試、刑事訴訟法のポイント解説

27年_慶應_刑事訴訟法のサムネ画像です

形式

本問は、事例問題が1題であり、下線の引かれた2つの捜査に関する適法性と公判おける伝聞証拠の証拠能力について論じさせる形式となっています。時間は短いものの、形式としては、司法試験・予備試験の刑事訴訟法に近いものとなっています。もっとも、慶應義塾大学法科大学院の入試においては、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法について、各科目の想定解答時間が40分とされており、それに応じて、問題文もややコンパクトになっています。

本問のような形式の問題については、時間配分が攻略のカギになると考えられます。

解答の大枠

設問1は,令状に基づく捜索・差押えにおける令状の記載内容が適切か否かを論ずる問題です。令状に基づく捜索・差押えにおいては,捜索場所・押収目的物の特定が要求されており,本件において特定の程度として十分であるかについて解答が求められているものといえましょう。

設問2は,「A山太郎 8/1 300万 乙」等と記載されているメモを差し押さえたことにつき,令状記載の「差し押さえるべき物」との関係で差し押さえるべき物として適切かを問う問題です。令状による捜索・差押えの範囲内かについて解答が求められているものといえましょう。

設問3は,乙・丙の勾留中における供述録取書面を甲の公判手続きにおいて証拠とすることができるかを問う問題です。乙・丙の供述録取書が伝聞証拠であることから,伝聞例外要件を満たすかを解答することが求められます。

論点

設問1の解答にあたっては,最大判昭和33年7月29日が参考になります。罪名の記載につき適用法条まで記載する必要があるか,差押えるべき場所及び物につき特定の程度は十分であるかを,令状主義の趣旨から論じることができればよいと考えます。

設問2の解答にあたっては,最判昭和51年11月18日が参考になります。憲法35条において令状に基づく捜索・差押えにおいては「正当な理由」が要求されている趣旨や,218条1項及び219条1項の趣旨に鑑みて解答することができればよいと考えます。

設問3の解答にあたっては,まず,下線部③の調書が伝聞証拠にあたることを,要証事実を述べつつ指摘する必要があります。その上で,弁護人の陳述を踏まえれば下線部③の調書につき不同意の陳述をすることが想定されますので,伝聞例外要件を充足するかにつき論じることが期待されます。

総評

本問は、問題文において、事情が比較的詳細に書かれているため、事実をいかに評価するかが重要であると考えられます。刑事訴訟法の試験問題におけるこのような傾向は、司法試験や予備試験でも同様であるため、事実評価を重視した勉強をする必要があります。

対策としては、予備試験や旧司法試験の過去問をやり、参考答案や再現答案を参照して、事実評価のやり方を盗むのが有効だといえるでしょう。

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