平成26年度慶應義塾大学法科大学院入試、刑事訴訟法のポイント解説

26年_慶應_刑事訴訟法のサムネ画像です

形式

本年度の刑事訴訟法は下線部①~③の行為についての適法性を論じるものであり、いずれも捜査分野からの出題でした。

刑事訴訟法は他の科目と比べて圧倒的に問題文が長く、設問の形式も司法試験のミニチュア版といった形であるため、高度の事務処理能力が要求されます。

解答の大枠

下線部①について

「左肩に手をかけた」という行為の適法性を論じることになります。乙は犯人と同じようなヘルメット、スクーターを利用しているものの、未だ具体的な嫌疑が生じている段階とまでは言えないため、行政警察活動としての職務質問としてKは話しかけていると考えられます(無論、司法警察活動としての任意捜査と評価することも可能しょう)。

あとは、職務質問中の有形力の行使の論点を検討することになります。とにかく時間がないため、ここは無駄に時間をかけず、簡潔にささっと処理しましょう。

下線部②について

任意同行の適法性が問題となります。設問の中では、あてはめ事情が一番多そうなところです。すばやく規範を書き、最後の設問のための時間を残せるよう気を配りつつ、しっかりあてはめをしましょう。

下線部③について

緊急逮捕から勾留請求までは一応制限時間どおりになされているものの、先行する下線部①、②の行為との関係ではどうなのか、ということを問う問題です。違法な逮捕とそれに引き続く勾留の可否が問題となります。

論点

下線部①について

条文の要件を丁寧に検討するという姿勢を見せるべく、一応職務質問の「疑うに足りる相当な理由」(警職法2条1項)について軽く認定しておきましょう。時間が本当にないので1行程度で十分です。

有形力の行使については「停止させて」にあたるかが問題となりますが、これも最三小決平成6・9・16刑集48巻6号420頁(百選2)を参考に、素早く処理したいところです。

下線部②について

任意同行の名をかりた実質的逮捕(強制処分)にあたるかが問題となります。

有名な論点ですが、すぐに食いつかず、「任意同行が実質的逮捕(強制処分)にあたるか。あたるとすると令状なくなされているため違法」という丁寧な問題提起をきちんとしましょう。

あてはめ事情として、任意同行の態様・被疑者態度等を丁寧に拾えば大丈夫です。また実質的逮捕にあたるとしても、準現行犯逮捕として適法になる余地がないかというところまで検討し切れば評価はより高くなると思われます。

下線部③について

違法な逮捕後の勾留請求という論点を検討することが要求されていると思われるため、試験戦略上、下線部①は適法、下線部②は違法とした上で本問に臨むのが妥当でしょう。

論点については、東京高判昭和54・8・14刑月11巻7・8号787頁(百選16)という著名な裁判例があるので、これを参考にしつつ最後までしっかり書ききりましょう。

総評

とにかく時間が足りないかと思われます。他の科目で余計に時間を使ってしまった場合、かなり厳しくなってしまうことは明らかであるため、他の科目でも時間を節約することが非常に重要になります。

いずれの設問も悩んでいる余裕はありません。特に下線部①は一瞬で解くくらいの気概が欲しい所です。深入りも厳禁です。論点を一応拾って、最後まで書ききれれば十分及第点なので、あまり欲を出しすぎず臨んでいただきたいところです。

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