平成27年度慶應義塾大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

27年_慶應_憲法のサムネ画像です

形式

出題形式は、短めの事例と創作上の法令が提示されたうえで、法令に含まれる憲法上の問題を検討させるというものでした。

予備試験のように原告主張・被告反論・私見を並べさせる問題ではないため、形式としては旧司法試験に非常に近いものと言えるでしょう。

解答の大枠

問題文で提示されている創作上の法令は、「プロダクト・プレースメント(PP)」および「プロダクト・インテグレーション(PI)」という、広告の一手段を禁止するものであるため、営利公告の禁止の場合と同じく表現の自由を論じることになるでしょう。他にも、営利公告であることから、営業の自由を論じるということも一応考えられます。

いずれにせよ、防御権が問題となるのであれば保護範囲・制約・違憲審査基準の定立というパターンで答案を書くことになります。

論点

まず、表現の自由を論じるのであれば、PPやPIが憲法21条1項で保障される典型的な表現ではなく、営利公告であることに注意しなければいけません。具体的には、そもそも21条1項の保護範囲に含まれるのか、含まれるとしても権利としての重要性が他の表現と同じといえるのか、違憲審査基準はどれくらい厳しくなるのかについて検討することになります。

違憲審査基準を立てて、目的手段を検討するにあたっては、そもそもPPやPIを禁止することが一般消費者の利益を守るうえで有効な手段なのか、規制が相当なものといえるか(「洗脳が嫌なのであればテレビを見るな」という主張もあり得るし、「とらわれの聴衆」の議論を挙げてもいいかもしれません)について検討することになります。

より大局的にれば、営利表現と消費者の自己決定権とのバランスをどう調整するかについて考えなければいけません。

総評

現代の社会環境を反映した内容であり、読んでいて面白い問題文だと思った受験生もいたと思います。

題材は目新しいものであるように見えますが、営利的表現の自由についての従来の議論を踏まえ、反論も想定したうえで丁寧に論ずれば十分合格点が来るものと思われます。制限時間はタイトですが、防御権の答案のパターンをしっかり守って時間内に答案を完成させられるよう気を配りましょう。

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