平成26年度慶應義塾大学法科大学院入試、憲法のポイント解説

26年_慶應_憲法のサムネ画像です

形式

慶應大学入試26年度の憲法では、判例(接見制限違憲訴訟(最判平3・7・9))をベースとした事例問題が出題されました。本問は憲法上の主張を、被告側の反論を想定しつつ検討するとこが求められており、司法試験・予備試験で問われる出題形式と同様のものといえます。

もっとも想定解答時間は50分程度とタイトですので、事案処理能力も問われているといえます。

解答の大枠

まず、DはXの接見申出に対し、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「法」)に基づき接見不許可処分を行っています。そこで法がXの憲法上の権利を害し、違憲ではないか、法令違憲の検討することとなります。また本件不許可処分が具体的事情の下許されるか、適用違憲の検討も問題となります。

その他、本件でXに対しては不許可処分となっているものの、Aの家族に対しては接見が許可されているので、平等原則に反しないかも問題となります。

論点

まず、法令違憲についてはXは取材目的で接見申出をしているので、前提問題としてXに取材の自由が認められるかが問題となります。この点については博多駅事件判決を参照し、取材の自由も表現の自由の一つとして保証されることを端的に指摘します。

次に本件制約が正当化されるか、違憲審査基準が問題となります。この点は原告主張では厳格な審査基準を導くため、取材の自由の重要性や制約の重大性を検討します。一方で被告からの反論では被収容者関係の規律は憲法の許容するところであり、通常よりも緩やかな基準が妥当する、等といった反論が考えられます。

次に適用違憲については、内容着目規制であることや一切の取材を制限している事から厳格な審査基準を定立することとなります。被告側の反論としてはE拘置所で起きた過去の事件等より、類似の事例である本件でも拘置所内の秩序維持の点で問題が生じる蓋然性が認められる事などを主張することとなります。

具体的な当てはめでについてですが、本問では適用違憲で用いることの出来る司法事実が豊富にあるので、可能な限り事実を拾えるようにしましょう。

本問ではXとAの家族とで異なる処分がなされているので平等原則も問題となります。もっとも、事案中に平等原則に関連する事実がほとんどないことから、本問では付随論点であると考えられるので、解答時間に余裕がなければ省略しても致し方ないと思います。仮に検討する場合は原告主張だからといって闇雲に厳格な審査基準を定立するなど、不合理な論証とならないように気を付けましょう。

総評

本問は判例をベースとした問題であり、出題形式も司法試験等と似ているなど非常にオーソドックスな問題でした。もっとも試験時間は非常に短いことから、長々と論証していると途中答案の恐れがあるなど、高度な事務処理能力も問われています。慶應憲法対策としては予備試験や司法試験の問題を解くことも有益でしょう。

あなたもレビューしませんか?

※先に「継続力」を理解する事が重要です。

難関な試験に合格する為には独学力を鍛えなくてはなりません。

司法試験の独学力.comでは、独学力を構成する「効率力」と「継続力」。特に独学で司法試験に合格する為の必須条件である「継続力」について解説しモチベーション向上を図ります。