平成27年度慶應義塾大学法科大学院入試、民事訴訟法のポイント解説

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形式

本問は、事例問題が1題であり、設問が2つ付いているという形式の出題となっています。事例は簡潔なものですが、論述内容を考えると、40分という想定解答時間はさほど余裕があるものではありません。手際よく事案を整理し、論述に入っていくことが必要です。

解答の大枠

設問1は、Aによる不当な妨害につき、心証を抱くことができなかった場合に、裁判所がどのように事件を処理すべきかが問われています。この「不当な妨害」を解除の要件事実に位置付けて、立証責任の問題として処理していくのが適切でしょう。

設問2は、判決確定後に係争物を譲り受けた者との関係で、前訴確定判決がどのような意味を持つかが問われています。既判力の主観的範囲の問題となりますが、前訴判決の既判力が何について生じているのかも含め、検討することが求められていたものと思われます。

論点

設問1については、解除の場合における立証責任が主な問題となります。解除の要件事実を整理し、Aによる不当な妨害の事実につき、XとYのいずれが立証責任を負うかを検討していきましょう。

解除の要件については、実体法上も争いがありますので、この部分について応用力をアピールすることができれば、高評価につながるようにも思われます。もっとも、試験時間が限られているということもあるので、まずは通説にしたがって整理していくというのも適切でしょう。

設問2については、既判力の問題となります。主観的範囲の問題として、Zが口頭弁論終結後の承継人として既判力の拡張を受けるかが論点になると考えられます。

また、前訴での訴訟物の存否について既判力が生じたとしても、それが直ちにXZ間での後訴に作用するかも考えるべき問題です。ここでは、信義則による処理を図るということも、一つの方法として考えられるでしょう。

総評

本問は、民事訴訟法の基本的な概念について、受験生の理解の程度を問う問題であるといえます。事例は簡潔であり、解答すべき問題点も比較的明らかですが、論述にあたっては悩ましいポイントも含まれており、応用力も試されているといえるでしょう。その意味で、本問は、法科大学院入試の問題としては、比較的難易度の高いものといえると思われます。

そして、試験時間の短さもあり、本問では、十分な思考時間を確保できるか否かが評価をわけたと推察されます。対策としては、予備試験の過去問など、思考力を問われる良問を検討し、日ごろから、考える勉強をすることが有効であったと考えられます。

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