安西文雄他「憲法学読本」の特徴と評価

憲法学読本

明治大学教授の安西先生、千葉大学教授の巻先生、東京大学教授の宍戸先生が書かれた憲法の教科書。400頁に満たない薄さの中で、憲法総論から人権、統治機構に至るまでの解説がなされています。しかも、芦部信喜「憲法」よりも新しい議論が展開されているので、論文式試験の問題意識にも対応できる内容になっています。

「憲法学読本」の特徴

本書の特徴は、少ない分量の中で、芦部先生の「憲法」以降の問題意識を知ることができるということです。伝統的な見解を勉強した後に本書を読むと、新たな発見を得ることができます。また、基本的なことから説き起こしてくれるので、消化不良を起こしにくいというのも受験生にとってありがたいポイントです。

また、本書には、統治機構の「総論」があります。「デモクラシー」という概念を用いて、統治の諸問題を整理しており、「統治が苦手だ」という受験生は、本書を一読することで、思考の手がかりを得ることができるでしょう。

「憲法学読本」の評価は?

短答式対策において

本書は、基本的に、芦部先生以降の問題意識に注力して記述しているようであるため、短答式試験対策としては向いていません。本書は、いわば「答えのない」問題について考えるための本という位置づけであると考えられるため、答えのある短答式試験の勉強については、別の本でなされることをおすすめします。

法科大学院入試対策において

本書は、重要な概念・問題については一通り記述があるため、法科大学院入試対策としては有益だといえます。また、最低限押さえておくべき判例については、一定の紙幅を割いて説明されており、当然ながらその切り口も洗練されています。特に、「法の下の平等」の部分の記述は受験生にとって必読といえるでしょう。本書を読み込んでおけば、法科大学院入試においては一段上の答案を書けるかもしれません。

他方で、巷でよく議論されている「違憲審査基準論」についての記述はとても薄いです。現在、そのような「基準」はもはや重要ではないということかもしれませんが、答案で違憲審査基準に頼り切っている人にとっては使い辛いかもしれません。

予備試験・司法試験対策において

問題意識を知るという意味で非常に有益な書籍です。分量としても、苦もなく通読できる程度に収まっているので、一度読んでみることをおすすめします。

他方で、とても行間が広い本でもあるので、本書のみで合格水準に達することは難しいかもしれません。芦部信喜「憲法」などをメインの基本書としたうえで、問題意識や判例解釈の「切り口」を得るための副読本として使用するのが良いと思います。

動画で解説!専門家が評価する「憲法学読本」

まとめ

本書は、薄いなかに憲法のエッセンスが詰まっている本です。独学で「憲法がわからない」と悩んでいる方にとっては、基本的事項から優しく説き起こし、有益な視点を提供してくれる本だといえるでしょう。初学者から上級者までおすすめできる本です。

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