辰巳法律研究所「司法試験論文 外せない判例で押さえる答案作成マニュアル本1 公法系」の特徴と評価

司法試験論文 外せない判例で押さえる答案作成マニュアル本

「司法試験論文 外せない判例で押さえる答案作成マニュアル本1 公法系」の特徴

本書は判例百選・重版解説等の重要判例を素材として、判例の考えで答案を作成する場合の答案例を示した論文対策本です。司法試験・予備試験ではすべての科目で判例の射程・論理を等問題が問われているので、判例の事案解析の作法を理解することは合格への近道といえます。

本書内の設問がそのまま正面から問われることはないと思いますが、司法試験では判例の考えをベースにその応用を問うてくる問題がありますので、判例ベースで論文を書きたいといった方は是非本書を手に取ってみましょう。

本書の特徴は百選等の重要判例をベースにした短い設問について、見開き2頁前後でその答案例を示しているところです。本書では重要判例の要旨を理解することに重点を置いているため、派生論点や事案の細かな点については記載がありません。また論点の解説も極簡素なものが付けられているだけであり、勉強の進んだ方にとってはやや物足りないものとなっています。

もっとも本書では限られた試験時間の中でどのように判例の規範を定立するのか、当てはめをするのかが端的に示されています。なので本書は短答合格レベルの知識はあるが、論文で如何に短く、要領よく判例ベースで書くにはどうしたらよいかがわからない方にぴったりのものといえます。

また本書では短くではありますが、主張反論型で構成されており、憲法論文で毎年のように問われているこの形式に慣れる意味でも有益だと思います。また行政法分野でも近年出た訴訟要件に関する重要判例についてもどのように答案で表現すれば良いかが示されており、答案の流れを確認する意味でも一読の価値はあります。

「司法試験論文 外せない判例で押さえる答案作成マニュアル本1 公法系」の評価は?

短答式対策において

本書は短答で頻出の百選等重要判例をベースに執筆されたものですが、もっぱら論文対策用の書籍です。ここは素直に基本書・百選等を用いましょう。

法科大学院入試対策において

本書で判例の規範・当てはめ手法をマスターできれば事例問題で他の受験生に後れをとることはないでしょう。

もっとも設問によっては今ではそこまで論証で大展開すべきでないところ(私人間効力や人権共有主体性など)が長々と書かれているので、その点は2〜3行でまとめられるようにしましょう。本書では厚く書くべきところ、そうでないところが混在しており、その重要度のメリハリをつけられるよう注意する必要があります。

司法試験・予備試験対策において

本書は予備試験など基本論点が問われる問題であれば本書で十分に対応可能ですが、司法試験のように高度な論点・事案処理が問われる問題ではやや力不足な印象です。司法試験受験期の方でまだ判例の考えが理解できていないというような方であれば格別、公法系科目にそれほど苦手意識を感じていない方であれば本書を読む利益はあまりないでしょう。

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