大島義則「行政法ガール」の特徴と評価

行政法ガール

「行政法ガール」の特徴

本書は平成18年度から25年度までの司法試験(行政法)を題材に、ライトノベル風ストーリーを交えながら過去問を検討するものです。

随所にラノベ風の文章が挟まれることから色物のような印象を受けますが、解説内容は初学者にも取っつきやすいものとなっています。司法試験を説いてみたいが他の「固い」解説書はなにか合わない、よくわからないといった受験生にぴったりといえます。

まず本書の構成は①純粋なラノベ部分の導入部分、②司法試験問題、③問題を登場人物とのディベート形式で解説、④参考答案に分けられます。①部分については司法試験勉強の観点からは熟読することは不要ですが、(人を選びますが)単純に読み物として面白いので息抜きとして読むのもいいでしょう。

③問題解説部分は会話形式で展開されるので、他の予備校・出版社が出している解説書のような論点の整理・解説はなされていません。しかし本書の解説は平易な文章で展開されるので、「事例演習刑事訴訟法」(古江頼隆)のような会話形式の解説が性に合わない人でもこれなら頭に入って来やすいだろうという印象を受けます。

「行政法ガール」の評価は?

司法試験過去問の解説書は様々な予備校・出版社から出されていますが、本書以上に肩肘張らずに試験問題に取り組める書籍はありません。確かに本書の議論のレベルが高く、「こんなの書けない」と思われるかもしれませんが、それでも読みやすさは随一ですし、分かりやすさについても文句なしというべきでしょう。

まだ司法試験問題を解いたことがない、解いてみたが他の解説書がわかりにくかったという方に是非お勧めします。

短答式対策において

本書は、司法試験の論文式試験に取り組むものであるため、短答式対策に向いてはいません。

法科大学院入試対策において

「憲法ガール」ほどではないとはいえ、本書の議論のレベルは非常に高く、また当然問題のレベルも高いため、大学学部生にとってはややオーバースペックという感は否めません。

しかし、いずれは受ける試験ですので、興味本位に読んでみたり、相場を今のうちに知るために読んだり、単純に論文の書き方の参考として気軽に読むといった使い方でしたら十分おすすめできます。

司法試験・予備試験対策において

強くおすすめできます。好みもあるかもしれませんが、「憲法ガール」に並ぶ良書でしょう。

本書の使い方としては、まず①導入部分を読んだ時点で実際に本試験の問題を解いてみましょう。その際には答案構成のみ、といったように横着せずに本試験の方式に則って回答します。答案を作成し終わった後は④参考答案を参照し、自分の答案と参考答案とを比較します。参考答案と異なる部分等があったらその部分をチェックし、③解説部分を熟読しましょう。

司法試験の事例問題は様々な回答の道筋がありますが、本書の回答はしっかりと筋が通っており見本となる答案なので、自己の答案と比較することは良い勉強になると思います。

一通り解説を読み終わったら、復習として参照法令・資料をどのように利用していたかを思い出しながら再度法律構成してみましょう。行政法は特に参考資料の使い方の良し悪しが合否に影響を与えるので、うまく参考資料を扱えるよう本書のテクを盗みましょう。

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