宇賀克也「行政法概説」の特徴と評価

行政法概説

「行政法概説」の特徴

本書は、東京大学教授の宇賀克也先生が執筆された基本書です。各冊500ページ以上の分量で、他の行政法の基本書と比べて圧倒的な情報量となっています。したがって、3冊全てを通読するというよりも、辞書的に用いる人が多いと思います。

宇賀先生の基本書には「行政法」もありますが、こちらは本書を1冊にまとめたものとなっています。どちらを使用するかは、その使用目的によるかと思いますが、本書を通読する余裕があるのでしたら、本書を使用する方が良いように考えます。なお、地方自治法については、「地方自治法概説」において扱っていますので、本書に掲載されておりません。

構成としては、章のはじめにポイントを摘示したり、文字のサイズを変えることで重要度がわかりやすくなっていたりと、読みやすい構成となっています。執筆した宇賀先生本人も、「広範な読者を対象としたため、法学部・法科大学院で必要な情報を通常の大きさの文字で、大学院レベルでの発展的学習や司法・行政の実務で必要と思われる情報は小文字で書き分けている。」(はしがきより引用)とおっしゃっています。

事項ごとに総論を述べてから、類型別に判例を紹介していますので、知識の整理もしやすい構成といえるでしょう。

内容面としては、行政の制度的な説明にも分量が割かれており、この点においても体系的な理解を可能にするものといえましょう。

章立てが他の基本書と若干異なるようにも思えますが、通読してみると体系的な理解のための構成ということがわかります。そのため、辞書的な使用の場合、調べたい事項が1ヶ所にまとまっていないことがありますが、不便と感じるほどではありません。

また、判例・学説の網羅性が著しく、判例・学説の体系的なデータ整理をするのに便利でしょう。重要判例については詳細な評釈が付されており、判例の理解を深めるためにはかなり適している基本書といえます。

「行政法概説」の評価は?

短答式対策において

やや適していると考えます。本書によって行政法の体系的な理解、判例の網羅的な理解を得ることができますが、短答式試験の問題との関係でいえば、情報過多なきらいがあります。

法科大学院入試対策において

適していると思います。法科大学院入試の先にある司法試験までも見据えてこの段階から本書を読んでいることで、行政法の理解が深まると思います。

司法試験・予備試験対策において

適しています。基本的には上述の法科大学院入試対策と同様ですが、他の基本書をベースとしたうえで、辞書的な使用でも十分に対応できるものとなっています。

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