平成26年度慶應義塾大学法科大学院入試、商法のポイント解説

形式

慶應ローの商法は、民事訴訟法、刑事訴訟法と合わせて120分という時間設定となっています。商法にかけられる時間は40分ほどです。このように時間的制約が厳しい試験であるため、素早く答案を作成できる必要があります。

本問では、一つの事例に設問が2つ付されており、合格のためには両方の設問につき、十分な解答をする必要があるでしょう。もっとも、問題自体は、基本的なことが問われているので、予備試験の論文式に向けた準備をしていたなど、それまでに練習を積んできた受験生であれば、答案構成で時間を取られることはなかったと思われます。

解答の大枠

設問1では、平成25年7月1日に開催された甲社取締役会の決議の有効性が問われています。ここでは、この取締役会について、代表取締役Aが社外取締役Cに対し、招集通知を発していないことが問題になると考えられます。条文を指摘しつつ、この問題について論じていきましょう。

設問2では、平成25年7月16日に開催された甲社株主総会の決議の有効性が問われています。ここでは、この株主総会について、Cに対し招集通知が発せられていないことが問題になると考えられます。ここでも、条文を指摘しながら論じることは必須でしょう。

論点

設問1

設問1では、招集通知を欠く瑕疵があることを指摘したうえで、瑕疵ある取締役会決議の有効・無効の判断基準について言及する必要があるでしょう。ここでは判例を踏まえた論述をするのが無難だと思われます。そうすると、瑕疵ある取締役会決議は原則として無効と論ずることになると考えられます。

そのうえで、Cが出席してもなお決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情があるといえるかを検討することになるでしょう。その際には、取締役会の特性を意識した論述ができると高評価を得られると思われます。

設問2

設問2でも、まずは招集通知を欠く瑕疵があることを指摘したうえで、瑕疵ある株主総会決議が無効になるのはどのような場合かについて言及する必要があるでしょう。

本問では、設問1と設問2とで、取締役会決議と株主総会決議を対比させた出題になっていると考えられます。そこで、解答にあたっては、株主総会決議では、取締役会決議と異なり、特別の訴えの制度が用意されていることを踏まえて、論じることができるとよいでしょう。そのうえで、本問での決議の有効性について論じていくことになります。

総評

本問は基本的事項についての出題でしたが、特に、適切なあてはめをするためには、取締役会決議と株主総会決議の比較の視点が必要だったと考えられます。

また、時間的制約が厳しいことも踏まえると、本問の難易度は低くはなかったと思われます。基本的事項についての正確な理解が求められる良問であったため、ロー入試を目指すレベルの方は、一度解いてみると勉強になるでしょう。

対策としては、勉強の際にただ暗記するのではなく、理解できたかを確認しながら進めていくことが大切だといえるでしょう。また、基本的な問題ほど、周りに「書き負ける」リスクが高まるので、日ごろから答案を書く練習をしておくことも必要だと考えられます。

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