司法試験突破!試験別に刑事訴訟法の勉強法ポイント解説

刑事訴訟法とは?

刑事訴訟法は、実体法である刑法について、訴訟手続で審理するための規律が記載している法律です。民事訴訟法と同じく手続法です。特徴的なのは、司法警察活動である捜査について詳細に記載してあることです。

刑事訴訟法は、捜査、公判、証拠、上訴という内容をもっており、実際の手続の順序に沿って記載されています。条文数も民事訴訟法と大差はなく、また、現行犯逮捕など、比較的身近な概念が多く登場するのも特徴です。刑事訴訟法の原則については、憲法の被告人の権利などで規定されており、憲法とのつながりの強い科目であるといえます。

予備試験、法科大学院、司法試験において刑事訴訟法が問われる場面

刑事訴訟法は、司法試験予備試験においては、論文式試験だけではなく、短答式試験でも問われます。加えて、刑事実務基礎という名前で論文式試験の別の科目で問われます。さらに、民事実務基礎とともに、口述式試験でも聞かれることになります。

刑事訴訟法は商法会社法、民事訴訟法とともに、下4法に位置づけられますので、法科大学院によって問われるかどうかが変わります。民事訴訟法が問われる大学では、刑事訴訟法も問われることが多いといえます。国立大学などで問われることが多いといえます。

司法試験本試験においては、民事訴訟法や商法会社法と同じように、短答式試験は廃止されました。論文式試験では刑事系科目の第2問という形で問われます。

司法試験を突破!刑事訴訟法の勉強法:総論

刑事訴訟法は、基本的な法律7科目の中で、苦手な人が最も少ない科目であるといえます。学習範囲が狭いうえに、論文式試験で問われる部分も相当限られており、また、概念についても理解しやすいため、ハードルが低いからです。

特に、捜査や証拠について、重点的に出題される部分を理解してしまえば、あとは条文の細かな知識が問われることになりますので、非常に学習しやすい科目であるといえます。刑事訴訟法を苦手とする受験生は2つのタイプにわかれます。

  • 令状の種類などを詳細に理解していないタイプ。
  • 伝聞証拠について理解が十分ではないタイプ。

本番の論文式試験の問題では、こうした事項が問われることが殆どですので、これらのいずれかが苦手だと、必然的に刑事訴訟法の得点が安定しないことになります。

試験対策としては、司法試験本試験と予備試験の問題レベルは、現状では殆ど変わりません。いずれの試験を受験する場合でも、もう1つの試験の過去問を解いておくことが必要です。

しっかりと解くと分かることですが、同じことが、少しだけ形を変えて繰り返し出題されています。そして、事案については、有名な判例の事案を少しひねったものになっていて、その判例の理解を前提にして、本件でどのように判断するべきかを論じる問題が多いです。

また、旧司法試験については、事例が短いものの、論点は殆ど同じであり、学習が必要であるといえます。出題傾向という点では、旧司法試験も新司法試験も予備試験も変わらないので、全ての過去問を学習することが学習上、もっとも効率的です。

伝聞証拠については、伝聞証拠に該当するかどうか、という点がもっとも頻繁に問われますが、一度理解したら、いろいろな事例に当てはめられる能力を養成することが重要です。

短答式試験対策における刑事訴訟法の勉強法

刑事訴訟法の短答式試験は、民事訴訟法と同様、条文に関する基本的な知識が問われるだけです。特に、捜査や上訴については、細かい条文が一定程度ありますので、そうした細かい条文を理解し暗記しておくことが必要になります。

問題のレベルは高くないことが殆どですので、条文をくまなく理解しておけば、難なく解ける問題が多数です。

条文の知識をつけるためには、予備試験や司法試験本試験の過去問を勉強することはもとより、条文の素読が有用です。知らない条文については、ノートやメモに書き出しするなどで、頭に焼き付けてしまいましょう。

論文式試験対策における刑事訴訟法の勉強法

刑事訴訟法の論文式については、捜査と証拠の問題が出るパターンが殆どです。まれに訴因変更などの公判に関する論点が出題されることもありますが、捜査も証拠も出題されないことはありません。

捜査については、任意処分と強制処分の区別やそれに対する具体的なあてはめが出題される場合が殆どです。必要性、許容性、緊急性などをもとに、判例での判断枠組みを踏まえて論述することができれば、合格レベルの答案にたどりつくことは容易であるといえます。例えば、「本件において警察官Aが逮捕前にBの腕を掴んで制止したことは、任意処分の範囲を超えて違法か」といったような形で問題提起して、捜査に伴う有形力の行使が認められる判断基準を述べて、具体的にあてはめていく、という形で答案を展開していきます。

次に、証拠については9割以上が伝聞証拠該当性の判断です。伝聞に該当するとした場合には、その後に伝聞例外に該当するかどうかについて条文を用いて論じていく、という形が殆どです。

具体的には、「本件でBが残したメモは、Aが「人を殺した」と言っていたという内容であり、伝聞証拠に該当しないか」といったような問題提起をして、伝聞証拠は要証事実との関連性で決まるということについて論じた後、具体的に検討していく、という流れになります。

刑事訴訟法については、憲法の次に答案が書きやすい科目であると言えます。同じ訴訟法とはいっても、民事訴訟法の方が苦手な人が圧倒的に多いのが現実です。民事訴訟法に比べると、問題文の具体的事実を拾って、評価してから当てはめるということが求められる度合いが高い、ということです。

勉強法としては、予備試験、司法試験本試験の問題が変わらず有用です。加えて、旧司法試験においても、捜査や伝聞については毎年のように問われていますので、カバーしておくことで、本番の試験で見たこともない問題が出ることは少なくなります。

刑事訴訟法については、サスペンスドラマなどをみて、どのような処分がどのような令状によってなされているか、実際の裁判で出されている証拠はどのようなプロセスで証拠にすることができるか、といった観点から考えるのも有用です。非常に身近な事例や概念が多いのが刑事訴訟法です。